競輪
新潟記念
- 2009年08月31日(月) 17時50分
予測された通り新潟の外回り特有のスローな流れ。前半は超スローで展開し、後半1000mが「57.8秒」。前半の1000mは「61.8秒」だったから、後半の1000mの方がなんと4.0秒も速い後半だけの高速決着。きわめて特殊なレース全体の流れになった。アルコセニョーラの勝った昨年は「58.8-58.7秒」。
当然、全体には先行タイプに利は生じたが、単にスローペースから後半の「上がりだけ」の競馬になったわけではない。みんな超スローは最初から承知、4コーナー手前の残り4F標識あたりから一気にペースアップし、ここで記録されたラップが「11.7-10.9-10.4」＝33.0秒。勝負どころで急に、同日のキーンランドC(札幌)の前半3F33.8秒さえ大きく上回る猛ラップが刻まれたため、最後の1Fは「12.2秒」。反応良く先頭に接近した馬は寸前で脚さばきが鈍り、ゴール前で再逆転が生じるという長い直線独特の、スパートの難しい後半勝負に持ち込まれた。
勝ったホッコーパドゥシャは、七夕賞でも小倉記念でもペースアップした勝負どころでもうひとつ反応が鈍く、3着、2着にとどまっていた馬。今回も残り400〜200m地点で一度は鋭さ負けしたように置かれかけたが、最後にライバルが苦しくなったところで再浮上を決めた。長い直線の独特の難しさを知り尽くすベテラン江田照男騎手(37)の、全力スパートのタイミングを意識的に少し遅らせたかのように見えた絶妙の騎乗と、差し馬ながらそうスパッとは切れないホッコーパドゥシャの一番いいところが重なった勝利ともいえる。夏の2000シリーズを3戦するのも珍しいが、すべて好走して19Pを加算してみせたから、文句なしのサマーチャンピオンだろう。
2着サンライズベガも、ゴール寸前みんな苦しくなったところで我慢したあたりが、こういうレースだと決まって好走する関西馬の真価。好スタートから流れに乗り、抜け出しのタイミングも決まり、ふつうなら勝った内容だった。5歳の同馬より7歳の勝ち馬の方がよりしたたかでタフだったということだろう。夏のハンデ重賞らしく秋の展望が広がった馬は少なかったが、同馬は5歳の上がり馬。まだまだ上昇がある。メイショウレガーロももう一回伸びたあたり、これまでより一回り成長したと評価したい。
58�圓�8歳エアシェイディが大外に回ってあわやの小差4着。まだまだ衰えなしを示し、また今年も天皇賞・秋に挑戦する予定。今回はまだ完調ではなかったから、この内容は悪くはないだろう。もともと新潟の外回り向きという差しタイプでもない。上昇は無理でも昨年と同じくらいの状態に立ち直れるかもしれない。
昨年は16番人気のアルコセニョーラは、今年は1番人気。いくらも負けていないからタフな夏型の平坦巧者ぶりは発揮したが、2段加速を要求されるような難しい流れになり、途中まで開くコースを探すほどだったが、昨年のように芝のいい部分を衝くことができなかった。最後、内寄りを通る形になっては苦しい。
デストラメンテは巧みに流れに乗って3〜4番手。途中までもっとも楽な手ごたえで来たが、いきなり10秒台にペースアップしたところで自身がスムーズにギアチェンジできず、気を抜くような素振りを見せてしまった。最後はもう1度エンジンがかかって0.4秒差だから、さして負けているわけではないが、典型的な平均ペース型で緩急のペースに対応できない死角が出てしまった。
好気配のダイシンプランも、本当は勝負どころから一気にスパートできるような小回りコース向き。距離もあるだろうが、爆発力はあっても長い直線コースの難しい攻防は向いていなかった。
当然、全体には先行タイプに利は生じたが、単にスローペースから後半の「上がりだけ」の競馬になったわけではない。みんな超スローは最初から承知、4コーナー手前の残り4F標識あたりから一気にペースアップし、ここで記録されたラップが「11.7-10.9-10.4」＝33.0秒。勝負どころで急に、同日のキーンランドC(札幌)の前半3F33.8秒さえ大きく上回る猛ラップが刻まれたため、最後の1Fは「12.2秒」。反応良く先頭に接近した馬は寸前で脚さばきが鈍り、ゴール前で再逆転が生じるという長い直線独特の、スパートの難しい後半勝負に持ち込まれた。
勝ったホッコーパドゥシャは、七夕賞でも小倉記念でもペースアップした勝負どころでもうひとつ反応が鈍く、3着、2着にとどまっていた馬。今回も残り400〜200m地点で一度は鋭さ負けしたように置かれかけたが、最後にライバルが苦しくなったところで再浮上を決めた。長い直線の独特の難しさを知り尽くすベテラン江田照男騎手(37)の、全力スパートのタイミングを意識的に少し遅らせたかのように見えた絶妙の騎乗と、差し馬ながらそうスパッとは切れないホッコーパドゥシャの一番いいところが重なった勝利ともいえる。夏の2000シリーズを3戦するのも珍しいが、すべて好走して19Pを加算してみせたから、文句なしのサマーチャンピオンだろう。
2着サンライズベガも、ゴール寸前みんな苦しくなったところで我慢したあたりが、こういうレースだと決まって好走する関西馬の真価。好スタートから流れに乗り、抜け出しのタイミングも決まり、ふつうなら勝った内容だった。5歳の同馬より7歳の勝ち馬の方がよりしたたかでタフだったということだろう。夏のハンデ重賞らしく秋の展望が広がった馬は少なかったが、同馬は5歳の上がり馬。まだまだ上昇がある。メイショウレガーロももう一回伸びたあたり、これまでより一回り成長したと評価したい。
58�圓�8歳エアシェイディが大外に回ってあわやの小差4着。まだまだ衰えなしを示し、また今年も天皇賞・秋に挑戦する予定。今回はまだ完調ではなかったから、この内容は悪くはないだろう。もともと新潟の外回り向きという差しタイプでもない。上昇は無理でも昨年と同じくらいの状態に立ち直れるかもしれない。
昨年は16番人気のアルコセニョーラは、今年は1番人気。いくらも負けていないからタフな夏型の平坦巧者ぶりは発揮したが、2段加速を要求されるような難しい流れになり、途中まで開くコースを探すほどだったが、昨年のように芝のいい部分を衝くことができなかった。最後、内寄りを通る形になっては苦しい。
デストラメンテは巧みに流れに乗って3〜4番手。途中までもっとも楽な手ごたえで来たが、いきなり10秒台にペースアップしたところで自身がスムーズにギアチェンジできず、気を抜くような素振りを見せてしまった。最後はもう1度エンジンがかかって0.4秒差だから、さして負けているわけではないが、典型的な平均ペース型で緩急のペースに対応できない死角が出てしまった。
好気配のダイシンプランも、本当は勝負どころから一気にスパートできるような小回りコース向き。距離もあるだろうが、爆発力はあっても長い直線コースの難しい攻防は向いていなかった。
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
