スマートフォン版へ

日本ダービー

  • 2002年05月24日(金) 11時52分
 今年のダービー。日本ではこれまであまり調教師の手法や流儀は表面に出ることはなかったが、きわめて対照的な2人のトレーナーの育てた馬が有力馬になった点で、注目度が高まっている。

 タニノギムレットの松田国英師は、この強気なローテーションが示すように、目標のレースを設定し、かなりハードに鍛える手法。きびしいレースを重ねることで才能に磨きをかけようとしている。あえてNHKマイルC出走は、プラスと出るか、これまでの多くの馬のようにマイナスになるか、非常に難しいところだ。クラシックを制するにはある程度の犠牲をはらわなければならない。この手法は決して悪くない。

 一方、シンボリクリスエス、サスガなど計4頭も出走させる藤沢和雄師は、これまでクラシックと無縁だった。それも当然、目標のレースを定めてビシビシ鍛える手法を良しとしていないからだ。入念な運動量で少しずつ素質開花をうながし、古馬になって完成されるような馬を育てるのが流儀だった。

 ところが、手法をとくに変えたわけでもないが、ここ2〜3年、クラシック制覇にも意欲をみせ、3歳の初期から続けて出走させることが多くなってきた。シンボリクリスエス、サスガ、マチカネアカツキなど再三騎手を変え、間に合うものならクラシックへの形をとってきた。

 いまピークを迎えた馬という点で、シンボリクリスエスが注目馬。初めての強敵相手は目に見えない死角だが、前走、2400mを楽々と2分26秒4(上がり34.1秒)で乗り切っている。あの内容なら2分25秒台前半の能力がありそうだ。

 あと注目は、安藤勝、石崎、デザーモが乗ってきた。騎手の腕を大きな要素と考えるなら、この3人の馬は軽視できない。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング