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安田記念

  • 2002年05月31日(金) 12時02分
 なぜ、安田記念は大波乱が多いのかというと、最近こそあまりハイペース(前後半の800mに2〜3秒の差が生じる)はないが、東京のマイルで厳しいペースになると、軽快なスピードだけでは乗り切れないため。

 まして96年以降は、牡馬58キロがベースになったから、軽いマイラーというより、底力のある馬でないと通用しないことが多い。

 今年、単にマイルの実績があるだけでなく、総合力も備えていると考えていいのは、香港でもG1を圧勝し、世界でも認められているエイシンプレストン。もう一頭、3歳クラシックでのアグネスタキオン、ジャングルポケットの2着しているダンツフレーム。この2頭は時計や、展開ではなく、Aランクの馬として軽く扱わない方がいい。

 もう一頭、ぜひ注目は、7歳ディヴァインライト。ふつうマイル路線は「若い馬」有利だが、58キロになった安田記念では、トロットサンダー、ブラックホーク、タイキブリザードが6〜7歳馬として勝っている。タフな底力が最後に生きた形だった。

 ディヴァインライトは、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダー、セイウンスカイなど、近年では最高レベル世代の生き残り。皐月賞では5着、ダービーでも7着だった。

 その後屈腱炎や脚部不安で1年以上の休養が2回もあり、4歳以降、これまでの3年半で16戦しただけ。休み休みの完調手前の当時にも、G1高松宮記念2着があった。今季はもう7歳、もう待っている時間はなく、この中間ビシビシ追って、5ハロン62秒台、63秒台連発は、あのダービー以来だ。

 あれだけかかった前走、完調手前で1分32秒6。まだまだ衰えていない。本来の差す形で突っ込んでくるはずだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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