競輪
フィリーズレビュー
- 2010年03月15日(月) 18時00分
能力接近の今年の3歳牝馬路線を象徴するように、勝ったのは伏兵9番人気のサウンドバリアー(父アグネスデジタル。ファミリーは広い意味でビリーヴと同じ一族)。前つぶれの流れではなかったが、大外から人気のラナンキュラス以下を差し切った。これで3戦連続、自身の上がり34.7〜8秒。追っての味に確実性を増している。
現3歳牝馬の勢力図は12月の「阪神JF1600m」をベースに推移し、当然、今年に入ってからの一連のステップレースはそこでの好走組が能力の「基準馬」をつとめた。
阪神JFで1着のアパパネと、3着ベストクルーズは、「チューリップ賞」で伏兵ショウリュウムーンに差し切られた。2着アニメイトバイオは、「アネモネS」でギンザボナンザに屈した。そして4着ラナンキュラスは「フィリーズレビュー」で新星サウンドバリアーに差し切られている。
阪神JF上位組にとって、今年になっての一戦はあくまでステップの前哨戦であり、余裕残しの仕上がりの馬が多かった。アパパネも、アニメイトバイオも、そしてラナンキュラスも、みんな2着にとどまっているから決して崩れたわけでもない。ただし、今年の桜花賞路戦の勢力図は、早くから頭角を現しているトップグループと、ここへきて伏兵、新星として台頭したグループにどうみても明確な差はない。秘める能力にあまり差のない候補がいっぱい存在する形が見えてきたというべきだろう。
今週の中山の「フラワーC」に、阪神JFを1番人気で5着したシンメイフジが出走の予定だが、ステップ最終戦でまたまた新たな候補が出現する可能性もある。さまざまな媒体の候補ランキングで「クイーンC」を圧勝したアプリコットフィズ(本番は武豊騎手予定)の順位が上がりつつあるが、クイーンCで下したテイラーバートンの今回のレース(13着)をみていると、アプリコットフィズとてそうは信頼性が高い力関係でもない。
勝ち時計は1400m「1分22秒8」。全体に少し時計のかかる芝状態だったから、過去10年間では稍重だった06年に続き9番目。前半「35.0-47.1秒…」の流れは、馬場状態を差し引いても1400mとするとごく標準の楽なペースだろう。だから、最後、5頭もがタイム差なしの横一戦になったと考えられる。決して追い込み馬向きの流れではない内回りの1400mを「上がり34.8秒」で外から差し切ったサウンドバリアーの、ここへきての良化は素直に評価したい。ミラクルホース＝アグネスデジタル産駒でもある。芦毛はアイスカペイド(ネイティブダンサー)ゆずり。
もっとも、本当の桜花賞候補がこのフィリーズレビュー1400mで5頭も横一戦に並び同タイムでゴールするわけがない。それではみんな候補になってしまうではないか。といえばその通りで、ここで出走権確保の3頭、どの馬が1600mになって、さらにはキャリアから、一番プラスがあるかが問われることになる。人気のラナンキュラス（母は2冠馬ファレノプシス）は、シャープに見せる好仕上がり。明らかに落ち着きも増していた。流れを考えるともっともそつなく、かつ巧みに乗った印象があるだけに、本番の候補としてはやや物足りなかった。個人的にではあるが…。
3着レディアルバローザはいつのまにかそこに粘り込んでいた印象もなくはないが、この馬、不思議なことに6戦して馬体重はすべて「466�圈廖�3歳牝馬としては信じがたくタフで動じない気性なのだろう。阪神は[2-0-1-0]。案外、侮れない。
賞金のボーダーが1200万になりそうなので、ステラリード以外はここで負けた組はひとまず桜花賞はあきらめ、距離が合うならオークス。テイラーバートンはやけに胴長に映ったあたり、体が細化していたのだろう。また、今回に関していえば、この流れの内回りだからじっと待っているだけでは前が開かないのは当然の成り行き。消極的に映った。
笠松のラブミーチャンは、すんなり先手を取って理想の流れ。これで失速しては残念ながらいきなりは芝の時計勝負に対応できなかった。納得だろう。迫力あふれる馬体をフルに生かせる舞台でさらにパワーアップしたい。やがてまた…もある。
現3歳牝馬の勢力図は12月の「阪神JF1600m」をベースに推移し、当然、今年に入ってからの一連のステップレースはそこでの好走組が能力の「基準馬」をつとめた。
阪神JFで1着のアパパネと、3着ベストクルーズは、「チューリップ賞」で伏兵ショウリュウムーンに差し切られた。2着アニメイトバイオは、「アネモネS」でギンザボナンザに屈した。そして4着ラナンキュラスは「フィリーズレビュー」で新星サウンドバリアーに差し切られている。
阪神JF上位組にとって、今年になっての一戦はあくまでステップの前哨戦であり、余裕残しの仕上がりの馬が多かった。アパパネも、アニメイトバイオも、そしてラナンキュラスも、みんな2着にとどまっているから決して崩れたわけでもない。ただし、今年の桜花賞路戦の勢力図は、早くから頭角を現しているトップグループと、ここへきて伏兵、新星として台頭したグループにどうみても明確な差はない。秘める能力にあまり差のない候補がいっぱい存在する形が見えてきたというべきだろう。
今週の中山の「フラワーC」に、阪神JFを1番人気で5着したシンメイフジが出走の予定だが、ステップ最終戦でまたまた新たな候補が出現する可能性もある。さまざまな媒体の候補ランキングで「クイーンC」を圧勝したアプリコットフィズ(本番は武豊騎手予定)の順位が上がりつつあるが、クイーンCで下したテイラーバートンの今回のレース(13着)をみていると、アプリコットフィズとてそうは信頼性が高い力関係でもない。
勝ち時計は1400m「1分22秒8」。全体に少し時計のかかる芝状態だったから、過去10年間では稍重だった06年に続き9番目。前半「35.0-47.1秒…」の流れは、馬場状態を差し引いても1400mとするとごく標準の楽なペースだろう。だから、最後、5頭もがタイム差なしの横一戦になったと考えられる。決して追い込み馬向きの流れではない内回りの1400mを「上がり34.8秒」で外から差し切ったサウンドバリアーの、ここへきての良化は素直に評価したい。ミラクルホース＝アグネスデジタル産駒でもある。芦毛はアイスカペイド(ネイティブダンサー)ゆずり。
もっとも、本当の桜花賞候補がこのフィリーズレビュー1400mで5頭も横一戦に並び同タイムでゴールするわけがない。それではみんな候補になってしまうではないか。といえばその通りで、ここで出走権確保の3頭、どの馬が1600mになって、さらにはキャリアから、一番プラスがあるかが問われることになる。人気のラナンキュラス（母は2冠馬ファレノプシス）は、シャープに見せる好仕上がり。明らかに落ち着きも増していた。流れを考えるともっともそつなく、かつ巧みに乗った印象があるだけに、本番の候補としてはやや物足りなかった。個人的にではあるが…。
3着レディアルバローザはいつのまにかそこに粘り込んでいた印象もなくはないが、この馬、不思議なことに6戦して馬体重はすべて「466�圈廖�3歳牝馬としては信じがたくタフで動じない気性なのだろう。阪神は[2-0-1-0]。案外、侮れない。
賞金のボーダーが1200万になりそうなので、ステラリード以外はここで負けた組はひとまず桜花賞はあきらめ、距離が合うならオークス。テイラーバートンはやけに胴長に映ったあたり、体が細化していたのだろう。また、今回に関していえば、この流れの内回りだからじっと待っているだけでは前が開かないのは当然の成り行き。消極的に映った。
笠松のラブミーチャンは、すんなり先手を取って理想の流れ。これで失速しては残念ながらいきなりは芝の時計勝負に対応できなかった。納得だろう。迫力あふれる馬体をフルに生かせる舞台でさらにパワーアップしたい。やがてまた…もある。
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
