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真の強敵とは

  • 2002年06月06日(木) 00時00分
 ひとつの願望がついえた安田記念の結果でした。エイシンプレストンの凱旋初戦、一番人気の示したものは、その勝利と海外G1・2勝馬の颯爽たる勇姿を迎えることでした。それによって、2度にわたる香港の感動がよみがえる筈だったのです。

 どうしたプレストン、敗因は日本の環境と大見出しの活字が痛々しく、ちょっと残念な思いが尾を引いています。

 その日の夕方、新宿駅の中央線ホームでアグネスデジタルの白井調教師とバッタリ。プレストンの敗戦を気にしながら、デジタルについて今はゆっくり休ませ、秋に向って立て直して出直しますよと語っていました。

 日本が誇るオールラウンダーの今後は、また別の願望を抱かせています。こちらは秋の天皇賞馬であり、香港カップ、フェブラリーSと勝って、引き続き、ドバイ、香港と世界戦に出た強者ぶり。ここへ来ての2度の敗戦にはそれなりの理由があるようですが、海外に遠征するときには、一緒に獣医も行かなければと強調されたのが印象的でした。

 それともう一点、これからの人は、言葉の問題もクリアして、しっかりコミュニケーションが取れるようにしておくのも大切と、つけ加えていました。

 強さはもちろんですが、生きものを環境の異なる地に行かせるのですから、ドクターの問題は大きいでしょう。

 海外でG1を勝ったほどの馬には、国内では負けてほしくないという思いが、私どもには共通してあるような気がします。それだけ、まだ、稀なケースと見ている海外遠征に、弾みをつけてくれたエイシンプレストン、アグネスデジタルが、今度どんな姿を見せてくれるか、これは重要な意味を含んでいるようです。そして、その間にも海外遠征の話題は日常的になり、その輪は大きくなっていきそうです。来日する馬より遠征馬の方が多くなる時代が来るのでしょうか。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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