競輪
桜花賞
- 2010年04月12日(月) 18時00分
人気に応えたアパパネ(父キングカメハメハ)が先行馬ペースに乗って鮮やかに抜け出し、1分33秒3の桜花賞レコードで快勝した。改修後の阪神の外回り1600mは最後の直線が長いため、あまりハイペースにはならないことで知られる。飛ばす馬がいないとされた今年、好スタートから押し出されるように主導権を握ったのは安藤勝己騎手のオウケンサクラ。前半3F「35.6秒」−4F「47.5秒」−5F「58.9秒」…は、スローに陥ることの珍しくない阪神1600mでは、この時期の3歳牝馬同士の一戦とすると絶妙の、無理のない平均ペースとしていいだろう。結果、後半の4F〜3Fを「45.9秒−34.5秒」でまとめることに成功したオウケンサクラは、自身が1分33秒4。阪神の桜花賞レコードを0.1秒も上回ることになった。安藤勝己騎手も、また3着に好走したエーシンリターンズの福永祐一騎手も今回の出走騎手の中では、ことのほか阪神の「桜花賞」に良績のあるジョッキー。したがって、この日の芝コンディションを巧みに読み切り、このメンバーでこういう組み合わせの桜花賞なら……。絶妙のペースに持ち込み「先行」しての好走だったといえる。
アパパネは栗東滞在に成功し、太め残りではないかと映るほどはち切れんばかりの体つき。12月の阪神JFよりまたひと回り大きくなり、2歳夏のデビュー時が452�圓世�ら、約30�圓眷和僚伝�。素晴らしい充実を示していた。素早く2〜3番手を確保した時点で、蛯名正義騎手にはもう隙なし。4コーナーで後続が接近してきたときにはスパートを待ち、馬場のいい中ほどへ進路を取る余裕さえあった。直前輸送のリスクを避けるための栗東入厩(滞在)は国枝調教師が早くから取り入れている手法だが、マイネルキッツなどの古馬はともかく、キャリアの浅い2〜3歳の牝馬にとっては圧倒的に有利な立場になるのは当然。栗東の美浦の施設の差うんぬんが強調され、栗東留学などという表現が用いられることが多いが、もともと生来のフットワークが軽い国枝調教師は、管理馬を少しでも有利な状況の中に立たせようとしているだけのことで、別に留学しているわけではない。ベストの状態で出走させるという手法の流儀にすぎない。
環境の変化による飼い食い減を防ぐため、あえて直前の阪神入りを選んだアプリコットフィズ。さらにコスモネモシン。同じように直前の輸送策を選んだアニメイトバイオ陣営も、それぞれに手法と熟考があり、アパパネと同じように長く栗東に滞在していれば…は、意味のないことだが、前回がギリギリと見えたコスモネモシンの6�垳此△垢任忘綽�JFで経験済みなので不安なしとされたアニメイトバイオのいきなりの20�垳此�今回、大きく明暗が分かれた「桜花賞」への3歳牝馬の遠征だった。
蛇足だが、この週、土曜の「阪神牝馬S」がこの時期としては破格の1400m1分20秒2(レコードと0.3秒差)。日曜の古馬1000万条件の1800mが、必ずしもハイレベルとも言い切れない組み合わせで、突然、1分44秒8の決着(日本レコードとも小差)。持ち時計を1〜2、0秒近くも短縮した馬が複数いた。そして、注目の桜花賞はもっともタイムが速くなることの多い「無理のない平均ペース」で流れたとはいえ、また、ダイワスカーレット＝ウオッカ、ブエナビスタ＝レッドディザイアなどの桜花賞はスローすぎたのも事実だが、物足りない内容にも映った6〜9着馬まで、今年はダイワスカーレットの1分33秒7と同タイムだった。このくらいの時計はまともな流れなら、3歳牝馬のトップクラスが計時できて少しも不思議はないとはいえる。ただ、馬場情報には中間の「芝刈り」だけで、それ以外の整備はされていないことになっているが、なぜか芝状態が急変し、GIの週だけ高速になったのは内側まで固くなった「高松宮記念」時と同じ。みんなが腑に落ちない急変の芝コンディションだったことは否定できない。こういう整備は小さなことのようでいて、施行者に対するファンの不信感につながることがもう何度も指摘されているが、責任担当者が代わるたびに同じことの繰り返しである。
アパパネは栗東滞在に成功し、太め残りではないかと映るほどはち切れんばかりの体つき。12月の阪神JFよりまたひと回り大きくなり、2歳夏のデビュー時が452�圓世�ら、約30�圓眷和僚伝�。素晴らしい充実を示していた。素早く2〜3番手を確保した時点で、蛯名正義騎手にはもう隙なし。4コーナーで後続が接近してきたときにはスパートを待ち、馬場のいい中ほどへ進路を取る余裕さえあった。直前輸送のリスクを避けるための栗東入厩(滞在)は国枝調教師が早くから取り入れている手法だが、マイネルキッツなどの古馬はともかく、キャリアの浅い2〜3歳の牝馬にとっては圧倒的に有利な立場になるのは当然。栗東の美浦の施設の差うんぬんが強調され、栗東留学などという表現が用いられることが多いが、もともと生来のフットワークが軽い国枝調教師は、管理馬を少しでも有利な状況の中に立たせようとしているだけのことで、別に留学しているわけではない。ベストの状態で出走させるという手法の流儀にすぎない。
環境の変化による飼い食い減を防ぐため、あえて直前の阪神入りを選んだアプリコットフィズ。さらにコスモネモシン。同じように直前の輸送策を選んだアニメイトバイオ陣営も、それぞれに手法と熟考があり、アパパネと同じように長く栗東に滞在していれば…は、意味のないことだが、前回がギリギリと見えたコスモネモシンの6�垳此△垢任忘綽�JFで経験済みなので不安なしとされたアニメイトバイオのいきなりの20�垳此�今回、大きく明暗が分かれた「桜花賞」への3歳牝馬の遠征だった。
蛇足だが、この週、土曜の「阪神牝馬S」がこの時期としては破格の1400m1分20秒2(レコードと0.3秒差)。日曜の古馬1000万条件の1800mが、必ずしもハイレベルとも言い切れない組み合わせで、突然、1分44秒8の決着(日本レコードとも小差)。持ち時計を1〜2、0秒近くも短縮した馬が複数いた。そして、注目の桜花賞はもっともタイムが速くなることの多い「無理のない平均ペース」で流れたとはいえ、また、ダイワスカーレット＝ウオッカ、ブエナビスタ＝レッドディザイアなどの桜花賞はスローすぎたのも事実だが、物足りない内容にも映った6〜9着馬まで、今年はダイワスカーレットの1分33秒7と同タイムだった。このくらいの時計はまともな流れなら、3歳牝馬のトップクラスが計時できて少しも不思議はないとはいえる。ただ、馬場情報には中間の「芝刈り」だけで、それ以外の整備はされていないことになっているが、なぜか芝状態が急変し、GIの週だけ高速になったのは内側まで固くなった「高松宮記念」時と同じ。みんなが腑に落ちない急変の芝コンディションだったことは否定できない。こういう整備は小さなことのようでいて、施行者に対するファンの不信感につながることがもう何度も指摘されているが、責任担当者が代わるたびに同じことの繰り返しである。
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
