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宝塚記念

  • 2002年06月21日(金) 12時18分
 夏の福島はちょっと全体的にタフな芝で時計がかかっているが、阪神の先週は速かった。必ずしもレベルの高くない1000万条件のマイルで1分33秒台、500万の芝でも1分34秒台が出ている。宝塚記念と同じ2200mでは2分10秒9のレコードが生まれている。

 2200mはかなりレースの流れに左右される難しい距離だけに、G1だからといって第1週の条件戦より速い時計になるとは限らないが、ローエングリン、ホットシークレットあたりが前半の1000m通過60秒台の平均ペースで引っ張ると、2分11秒2の宝塚記念レコードの更新の可能性は高い。

 まず大崩れはありえず、現在の抜群の状態を生かして好走必至はダンツフレーム。いつもためで寸詰まりにみえる体型が、ここにきてシャープになった感もある。距離も2200mまでなら守備範囲だ。

 好時計の中距離戦で、最期は爆発力の勝負になるとみれば、ちょっと注目したいのは5歳フサイチランハート(父サンデーサイレンス、種牡馬ヘイトゥリーズンの血量3×4という特異な配合)の切れ味だ。

 体質が弱く、5歳のここまで休み休みでたった13戦しかしていないが、素質と切れ味はデビュー時からAランクの評価。やっと本格化しかかった今年、1000万を勝ったばかりでいきなりG2のAJC杯2200mに挑戦すると、別定57キロにもかかわらず、抜け出したマチカネキンノホシ、ボーンキングなどを一気に差し切ってしまった。条件戦を勝ったばかりで、いきなり2クラス上のオープンだったからその価値は高い。

 ダイヤモンドSは距離が長すぎ、前走はまったく苦手な重。格下にはちがいないが、良馬場の2200mで真価発揮があると考えていいだろう。早めに動くはずのエアシャカール、ダンツフレームをマークしてフルに切れ味を生かす作戦だ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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