もう忘れられているが、3冠馬ナリタブライアン(父ブライアンズタイム)は、2歳の秋、当時はまだ無名の1勝馬で、福島のきんもくせい特別に出走している。圧勝だった。
1歳上の半兄ビワハヤヒデはローカルに出走したことはないが、直線が平坦の京都では3戦3勝。すべてレコード勝ちだった。
ナリタブライアンの全弟は、今年の新種牡馬ビワタケヒデ。ビワタケヒデは3勝にとどまったが、中京で勝ったあと、98年のラジオたんぱ賞を一気に伸びて勝っている。ビワタケヒデの初産駒は6月15日、福島の新馬戦を快勝してみせた。
ナリタブライアンの一族は、はっきり平坦巧者であることを示している。種牡馬ナリタブライアンは期待のわりにもう一歩だが、牝馬マイネヴィータは平坦の札幌2歳Sを2着している。坂コースの重賞では良くない。
ダイタクフラッグはこれまでのところ、あと一歩詰めの甘いオープン馬の印象だが、初登場の福島で父ナリタブライアンと同じように一変するかもしれない。
パシフィカスの産駒が総じて平坦巧者の可能性が高いというなら、ブライアンズタイム(父ロベルト)もまた、典型的なアメリカ血筋を受け継ぐ種牡馬で、平坦巧者をバリバリ送っている。
ボールドブライアンはそのブライアンズタイム(今年絶好調。もうG1・3勝)の直仔であると同時に、母もシアトルスルー系の血を引く牝馬で、アメリカの芝の平坦重賞を2つも制している。平坦巧者は多いが、ナリタブライアン(その父ブライアンズタイム)の血を引く馬に注目したい。ボールドブライアンと、ダイタクフラッグの1〜2着まである組み合わせだ。