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北九州記念

  • 2002年07月12日(金) 11時59分
 この1年間、すっかりリズムが崩れ身上の爆発力をみせていないトーホウドリームが、春の放牧から帰って大幅に良くなっている。

 4週間にわたって長めからビシビシ好時計で追い切れた。直前、半マイルから上がりだけの調整にとどめたのは、昨年の春、テイエムオペラオー、エアシャカール、アドマイヤボスなどをまとめて差し切ったG2大阪杯のときと同じ。

 折り合いが難しく、スムーズに追走できないとかかってしまう気分しだいの馬だが、57キロのG2を楽勝している(1分58秒4)ほどだから、底力は文句なし。久しぶりに本来の切れ味発揮に期待したい。

 差し一手だが小回りコースはOK、一瞬の切れを生かすには短い直線のほうがかえって良く、初勝利はこの小倉。中京でも勝っている。芦毛の毛色は祖母の父ドン(その父グレイソヴリン)によるもので、このタイプは平坦コースも、芝のはえそろった時計勝負の高速馬場も合っている。再三再四乗り替わっているのは決してプラスとはいえないが、この馬ちょっと不思議なところがあって、過去の5勝、2着2回、つまり全連対「7回」は、すべて乗り替わったときだった。

 ダイイチダンヒルも4歳の今年、これまでは人気倒れに終わっているが、そろそろ良血の進化発揮だろう。祖母ダイナフェアリー(新潟記念などG3・5勝)からさかのぼる牝系は、もともと典型的な平坦ファミリーといっても良く、また夏型。ここで一変して本格化の可能性がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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