このレースは毎年みんな、狙いに狙った穴馬に注目している。人気は割れている。
ところが、さらにその裏をかくように伏兵が台頭し、荒れるとわかっていても万馬券になってしまう。もう5年連続して万馬券が飛び出し、過去10年のうち、実に8年までが万馬券の決着だ。もうそんな波乱はないだろうなどと考える手もあるが、小回りのハンデ戦で時計はかかっている。人気馬同士の組み合わせは、きわめて可能性が小さい。
もうさすがに衰えただろうと思われる8歳馬だが、穴馬の1頭にミヤギロドリゴを考えたい。このベテラン8歳馬、もうピークはすぎているはずだが、この1年間、芝2000mのハンデ戦(いつも決まって53キロ)に限ると、実は3、3、1、3、5、8着。前走の七夕賞こそ、あまりに流れがきびしすぎて、例のまくる脚をみせたあと失速したが、ほかのレースではまず凡走していないのである。
福島コースに良績が多いが、函館の芝コースはほとんど福島と同形態。例の外から一気にまくって出る戦法が使える。函館はもう6年も前にデビューしたコースだ。
重馬場は苦しいが、力馬タイプでまして8歳馬だけに時計がかかるタフな芝コンディションは歓迎。スピード負けや、切れ味負けの死角がなくなる。今季の芝は有利だ。
もう1点。荒れる函館記念といえば、藤田騎手の出番。93年、11番人気のゴールデンアイで勝って万馬券の主役になったのを手始めに、この重賞は[3-1-0-3]。伏兵でのスパートのタイミングが実にうまい。3コーナーからスパートしたいミヤギロドリゴに、まさにぴったりの乗り替わりだろう。外枠を引いたのも芝状態を考えるとプラスだ。