新潟の芝コースでスピード色の強いオープン馬が激走すると、それはもう次々と快速の記録が生まれるものだ。
マグナーテンは昨年、第1週の1400mを1分19秒4で快勝した。前半800m45.5秒−後半600mを33.9−11.4秒だった。
決して目いっぱいの内容ではなく、もっと流れが速くなれば、と考えていたら、今年は第1週の1400mを1分19秒0のレコード。前半44.5秒−上がり34.5−12.1秒のラップだった。今年の方が昨年ほど芝が良くないこともあるが、今年のマグナーテンの内容をみると、前半がちょっときびしくなると、最後は34.5−12.1秒にラップが落ちた。
前半の800mを1秒速く行きながら、全体時計は0.4秒しか短縮できず、ほぼ能力の全容をみせた気がする。
関屋記念1600mは昨年、58.4−33.4−11.8秒で、走破時計は1分31秒8だった。立派な記録には違いないが、この1分31秒8はそう速くもない。1000万クラスでも再三1分32秒前半が出ている。
また今年、第1週の1000万特別を制したビッグフリートも楽々と1分31秒8で乗り切っている。ラップは57.2−34.6−12.6秒だった。超ハイペースを追走したから後半のラップはマグナーテンより劣るが、このビッグフリートの1400m通過は1分19秒2。
レース全体のバランスを考えると、ビッグフリートよりマグナーテンの方が「強く、速い」という根拠はない。
中1週は死角でも、安藤勝のビッグフリートは注目だろう。そしてもう1頭、怖いのはウインブレイズだ。3走前、1分33秒9(大幅に時計短縮)の際、前半スローだったとはいえ上がり33秒8(11.1−11.1−11.6秒)を記録している。昨年の関屋記念のマグナーテンの先行ペースなら、楽々とウインブレイズも離れずに追走できる。最後、追っての味は一枚上かもしれない。