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函館2歳S

  • 2002年08月02日(金) 12時35分
 ずっと昔、もう30年近くも前の当時の函館3歳S、快速サクライワイ(父マタドア)が快勝したことがあった。

 当時は現在とは芝が異なり、また芝の張り替えに失敗したその昭和48年、毎週、毎週、大雨が降って、大ゲサではなく田んぼのような芝コースだった。

 のちに1200mを1分8秒4の日本レコードで快走したサクライワイは、函館3歳Sをなんと「1分21秒7」で勝っている。1分12秒7の間違いではなく、ホントに1分21秒7もかかったのである。

 今年、サマーオブキングスが不良ではなく稍重馬場の1200mを1分16秒1で勝ったのをみて、ついサクライワイの年を思い出してしまった。今年、ポイントは持ち時計ではないだろう。

 なぜなら、函館の芝は極端に時計のかかる週があった。サマーオブキングスが1分16秒1。ホワイトカーニバルが1分12秒9。これだけでもすごい差があるが、新潟1200mに出走してきたハートオンウェーブは1分8秒8を記録している。

 ふつうなら、ハートオンウェーブと、サマーオブキングス(時計差7.3秒)などレースにならない計算になるが、実は素質やスケールを考えると、まったく互角だろう。

 今年のポイントは時計ではなく、レースぶりの印象、勝ち方に差を求めるしかない。

 このレース、素質優先とはいえ、1戦だけの馬より2〜3戦している馬の方が有利は、ここ数年の結果からはっきりしている。注目馬は公営のフジノタカネとしたい。牝馬ながら500キロ近い馬格を誇りパワー十分。前走、初の芝も楽々とこなし迫力勝ちしている。

 99年の勝ち馬エンゼルカロと同じトレーナーの馬だが、明らかにこちらの方がスケールで一枚上だろう。差す形もとれる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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