ずっと昔、もう30年近くも前の当時の函館3歳S、快速サクライワイ(父マタドア)が快勝したことがあった。
当時は現在とは芝が異なり、また芝の張り替えに失敗したその昭和48年、毎週、毎週、大雨が降って、大ゲサではなく田んぼのような芝コースだった。
のちに1200mを1分8秒4の日本レコードで快走したサクライワイは、函館3歳Sをなんと「1分21秒7」で勝っている。1分12秒7の間違いではなく、ホントに1分21秒7もかかったのである。
今年、サマーオブキングスが不良ではなく稍重馬場の1200mを1分16秒1で勝ったのをみて、ついサクライワイの年を思い出してしまった。今年、ポイントは持ち時計ではないだろう。
なぜなら、函館の芝は極端に時計のかかる週があった。サマーオブキングスが1分16秒1。ホワイトカーニバルが1分12秒9。これだけでもすごい差があるが、新潟1200mに出走してきたハートオンウェーブは1分8秒8を記録している。
ふつうなら、ハートオンウェーブと、サマーオブキングス(時計差7.3秒)などレースにならない計算になるが、実は素質やスケールを考えると、まったく互角だろう。
今年のポイントは時計ではなく、レースぶりの印象、勝ち方に差を求めるしかない。
このレース、素質優先とはいえ、1戦だけの馬より2〜3戦している馬の方が有利は、ここ数年の結果からはっきりしている。注目馬は公営のフジノタカネとしたい。牝馬ながら500キロ近い馬格を誇りパワー十分。前走、初の芝も楽々とこなし迫力勝ちしている。
99年の勝ち馬エンゼルカロと同じトレーナーの馬だが、明らかにこちらの方がスケールで一枚上だろう。差す形もとれる。