もともとシャープな体型だから、より研ぎ澄まされた印象もあったが、皐月賞時のヒルノダムールは馬体重「456kg」。栗東での追い切り後の計測は474kgだったから、移動と環境の変化で「18kg」も減っている。輸送減りではなく、慣れない場所に1〜2日滞在するのが苦手なのだろう。
ダービーの追い切りを終えた時点では、ひと回り成長したかのように484kgと発表された(みんな自己申告ではあるが…)。それが府中へ到着すると474kg。これは想定内、許容範囲の輸送減りだが、府中に滞在しての日本ダービー当日は「462kg」。追い切り後の栗東時よりなんと22kg減である。これは痛かった。
もともと細身に映るシャープな体つきながら、さすがに細かった。
皐月賞は4コーナーで詰まりかけ、改めて大外に回る不利。ダービーは歴史的な超スローで、次第に加速したい(京都では坂の下りからペースを上げる)ヒルノダムールにとって合わない流れ。それらが最大の敗因と思えたが、遠征(滞在)での目に見えない「体力ロス」も大きく重なっていたのである。
今度は地元の京都[2-0-0-0]。当日輸送はあっても、追い切り後の「478kg」の馬体はそう減らないだろう。
皐月賞は一番外を回って、No.1の切れをみせている。京都の「若駒S」ではインをこじあけて抜け、上がり33.1秒を記録している。
ラムタラの牝馬に、マンハッタンカフェ。距離延長に対する不安は少ない。ヒルノダムールの逆転に期待したい。
ローズキングダムは神戸新聞杯でプラス22kg。こちらも春は遠征の連続で体が少し小さくなっていたが、フックラしただけでなく、全体にのびのびした体型に変わった印象もある。底力のあるタイプとはいえないが、この組み合わせなら評価を下げる必要はない。
北海道で2600mを含めて3連勝してきたトウカイメロディが3番手。血統背景をはなれて馬体を見ると、メンバー中もっとも寸詰まりに映り、肩の傾斜角度などはとても長距離型とは思えないが、現実に2600mを破格の内容で連勝しているのだから、体型うんぬんはささいな死角だろう。クォークスター、アロマカフェ、レーヴドリアンを相手に加えるが、穴馬はシルクオールディー(父マンハッタンカフェ)。デキの良さならNo.1とも思え、先週がああいう失態だから、四位騎手のウデの見せどころだろう。