一番のポイントは、もちろん各馬の能力比較も大切だが、春のクラシックを中心に描かれていた今年の3歳牝馬の勢力図を再確認することだろう。ここが秋の出発点。
桜花賞の1分34秒3(アローキャリー、ブルーリッジリバー)は好時計にみえたが、翌週の3歳500万でも楽々と1分34秒4。古馬では1分32秒6のレコードが出たほど春の阪神の芝は良く、ひょっとすると今年の波乱の桜花賞のレベルは低かったのではないか。22キロもの馬体減で、とても完調にはほど遠い状態のシャイニンルビーが小差3着だった。
オークスも伏兵4番人気、10番人気の決着で、時計こそ例年並みでもまるで迫力がなかった印象が強い。3歳牝馬陣はずっと大波乱が続いたように、低レベルの乱戦だったと考えていいだろう。秋は、すでにジャパンCさえ展望している3戦3勝のファインモーションなどを中心に、大きく勢力図は変わる。
シャイニンルビーの桜花賞は馬体重432キロだったが、2歳の12月に462キロでデビュー勝ちしたときでさえ、ギリギリの細身にみえた馬。完調にはほど遠く、オークスでも少し体をもどしただけで明らかにトレーニング不足の状態だった。
あの状態で2冠を3、5着なら、春の組での能力No.1は文句なくシャイニンルビー。この秋はプラス30キロぐらいで、470キロはあっても少しも太めではないだろう。
ブリガドーンは、使わなくてもいい牡馬相手の京成杯に出走、なまじ3着したのが失敗の始まり。ローテーションがめちゃめちゃになってしまった。この夏も使い出しは早い。ぜひ復活して欲しいが、どうもローテーション(直前に函館から輸送)に疑問もある。
新星トーセンビュー、あるいは平坦巧者と思えるレディーシップあたりも好勝負だろう。