ハンデ戦だけに波乱が生じてまったく不思議はないが、力量面でも、展開面でもポイントになるのは57キロのブレイクタイム。
この5歳馬、昨年の春にはG1安田記念を定量58キロであと一歩の2着。前半5ハロンを57秒4のハイペースで通過し、上がり35秒8。ブラックホークにこそ差されたが、東京1600mを1分33秒2で乗り切っている。
不思議なことにこの馬、順調さを欠いたこともあるが、あのあと1度も1600mに出走していない。前走の1000mを太めの570キロでこなしたり、前々走の1400mも日本レコードとタイの1分19秒0で乗り切っているが、本来の持てる総合スピードがフルに生きるのはこの1600mだろう。
トップハンデ57キロも、安田記念より軽いのだからまず不安なし。ここは強力な先行馬が少ない。前走、5ハロン58秒0(新潟とすればスロー)で粘ったミデオンビット級なら、自分で主導権を握ってもレースができる。まだ無冠で、ずっと善戦止まりでモタモタしているが、やっと出走の1600mで、もうフルに能力発揮だろう。
父ディンヒル(その父ダンチヒ)は、もうよく知られているように世界でもっともタフな種牡馬。オーストラリアで立て続けにチャンピオンサイヤー(2歳でも)に輝いているだけでなく、昨年は仏リーディング、英愛2歳リーディング、さらに英愛リーディングでもサドラーズウェルズの2位だった。どんなコンディションでもこなしてしまうのである。
東京が大の得意であるように、やはり左回りで直線の長い新潟はトニービン産駒に合っている。新潟記念3着のダービーレグノは、2000mよりは明らかに1600m向き。立ち直ったブラザータイクーンとともに好勝負だ。
西のセントウルSは大接戦だが、この距離ベストのネイティヴハートに期待する。