スマートフォン版へ

京成杯AH

  • 2002年09月06日(金) 12時22分
 ハンデ戦だけに波乱が生じてまったく不思議はないが、力量面でも、展開面でもポイントになるのは57キロのブレイクタイム。

 この5歳馬、昨年の春にはG1安田記念を定量58キロであと一歩の2着。前半5ハロンを57秒4のハイペースで通過し、上がり35秒8。ブラックホークにこそ差されたが、東京1600mを1分33秒2で乗り切っている。

 不思議なことにこの馬、順調さを欠いたこともあるが、あのあと1度も1600mに出走していない。前走の1000mを太めの570キロでこなしたり、前々走の1400mも日本レコードとタイの1分19秒0で乗り切っているが、本来の持てる総合スピードがフルに生きるのはこの1600mだろう。

 トップハンデ57キロも、安田記念より軽いのだからまず不安なし。ここは強力な先行馬が少ない。前走、5ハロン58秒0(新潟とすればスロー)で粘ったミデオンビット級なら、自分で主導権を握ってもレースができる。まだ無冠で、ずっと善戦止まりでモタモタしているが、やっと出走の1600mで、もうフルに能力発揮だろう。

 父ディンヒル(その父ダンチヒ)は、もうよく知られているように世界でもっともタフな種牡馬。オーストラリアで立て続けにチャンピオンサイヤー(2歳でも)に輝いているだけでなく、昨年は仏リーディング、英愛2歳リーディング、さらに英愛リーディングでもサドラーズウェルズの2位だった。どんなコンディションでもこなしてしまうのである。

 東京が大の得意であるように、やはり左回りで直線の長い新潟はトニービン産駒に合っている。新潟記念3着のダービーレグノは、2000mよりは明らかに1600m向き。立ち直ったブラザータイクーンとともに好勝負だ。

 西のセントウルSは大接戦だが、この距離ベストのネイティヴハートに期待する。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング