種牡馬には、最初の予測とは大きく異なった特徴を伝えるケースが多い。輸入前は芝向きのクラシックタイプと思われていたアサティス(コバノファイター、ホクトブルーバードの父)が、例外のメイショウテゾロなどを別にすれば、完全なダート専用馬の父になるから不思議だ。アサティス産駒は、ウイングアロー、スナークレイアース、スマートボーイなど、キャリアを重ねるごとにタフなダート巧者として成長する。
コバノファイターは、その母の父サンシャインボーイ(アローエクスプレスの半弟)も予測以上のダート巧者を送る種牡馬だったから、このあとも典型的なダート巧者として成長していきそうだ。ここは格上がりではなく、準オープンに盛り返してきただけ。先行力があるので、やがては交流重賞の常連になっても不思議ない。
チゴイネルワイゼンの父ティンバーカントリーは、こちらはおそらくダート巧者の父となるだろうとは思われていたが、それ以上の完全なダート専用種牡馬になりつつある。
かつてならこういうタイプは失敗に近いなどとされたが、現在はちがう。タフなダート巧者を送るなら、ダート競馬の評価がグングン高まっている中、大正解にも近く、成長力があればいうことはない。チゴイネルワイゼンもそろそろ、交流重賞に目を向けてもいいだろう。不器用でもパワーにあふれている。ここは前々走の1分51秒9で十分に勝ち負けできる組み合わせだ。
タガノサンデー、アグネスアラシはサンデー産駒だが、強烈なバネを受け継がなかったサンデー産駒は、芝に固執することはなくて、もともとサンデーサイレンスを生み出した系統はダートは得意に近い。