ダートのオープン級は芝の勢力図と少し異なって、そう急に変わることはない。圧倒的なスピード能力や切れが求められるオープンの芝と違って、タフなパワーがモノをいうからだろう。ただし、もう秋シーズン。若い3歳馬がどんどん力をつけ、逆に5〜6歳のベテランは上積みがなくなっていく。
もう年齢表記には慣れたはずだが、3歳アッパレアッパレというと、どうも若く頼りないイメージが浮かんでしまうが、旧4歳の秋。もう成長は古馬に追いついている。
前走、休み明けでいきなり1分52秒8の圧勝。すんなり行けたとはいえ、追って2着パシオンノーブル以下をグングン引き離した。
まだあの内容ではオープンでは最初は苦戦だろうが、52キロの軽量で早めに行ける強みがある。上昇度に注目だろう。母方は時々大変なダート巧者を送ることで知られるステファニアの一族で、この馬の場合も母方はダート色が濃い。祖母ガストロノミーはダートだけで5勝。またその全弟のエーコートランス(父トランスアランティック)は、ダートだけで7勝。根岸Sをレコードで勝っている。大きく成長しそうだ。また、サンデーサイレンス直仔の父バブルガムフェローも、タヤスツヨシのようにダート巧者の父となっても、もともとが典型的アメリカ血統だけに少しも不思議はない。
ベテラン勢で注目は5歳ウインマーベラス。芝の重賞ではあと一歩足りなかったが、母ミヤビサクラコの産駒は、1つ上のキングオブサンデー(ダートG3勝ち馬)、2つ上のフリーウェイハート(ダートだけで6勝)など、ダート巧者に出る傾向がある。
ウインマーベラスもかつてダートで3勝している。ジリで詰めが甘いから、現在はダートの方が合うかもしれない。それも締まったダート向きだろう。たぶん、エスピノーザ騎手にはきわめて合っている。