大事に大事に育てて成長をうながしていく手法もあるが、種牡馬ブライアンズタイムの産駒はちょっとばかりハードな挑戦を続けた方がいいのかもしれない。
今春のタニノギムレット、ダンツフレーム、ビッグゴールド、ノーリーズンなどの出世パターンがそうだった。また、かつてのナリタブライアン、シルクジャスティス、マヤノトップガン、サニーブライアンなど。
さらにはダートのエムアイブラン、公営のブライアンズロマンなども、ビシビシ使っているうちにだんだん強くなった。
それを考えると、藤沢和厩舎のボールドブライアンの出走ローテーションは、かなり意図があるのかもしれない。藤沢厩舎にしては珍しく、新馬勝ちのあと連闘で2戦目がG2スプリングS。500万を勝ってすぐG2青葉賞。2勝馬なのにラジオたんぱ賞にも挑戦した。重賞3戦は13、17、9着という大凡走だが、このボールドブライアン、ガタッときたり、めげることもなく、自己条件に戻ればキチッと勝って一戦ごとにパワフルになっている。
ブライアンズタイム産駒の当たり年だから余計にそう思えるのかもしれないが、たちまちオープンに出世可能な素質馬だろう。現時点ではちょっと行きたがったりする一面もあるから、マイル戦は合っている。
母は米マイル重賞の勝ち馬。その父セプティームシェルは、藤沢調教師が大好きなシアトルスルー産駒で、マイラータイプ。血統面でもあまり距離が延びるより、切れの生きるマイル前後が合うタイプと考えていい。
ツジノワンダー(父メジロマックイーン)はもう6歳秋。期待ほどは出世できず、もう重賞やオープンでは苦しいが、マイルでは1分32秒台が2回もある。早め早めにスパートすれば力負けする相手ではない。