春の中山も異常なほど時計が速く、また夏の新潟は当然、好時計の連続だった。同じ好タイムでも、基本距離といわれるマイル戦(スピードとスタミナがフルに爆発する)を激走すると、ほかの距離よりずっと負担がかかり、ガタッとくることが知られる。
マイル戦激走馬の次走は危ないというネタをこの夏使ったら、やや鉄則が崩れかけているのでもう使わないつもりだが、前走1分31秒8で走ったマグナーテン(父ダンチヒ)は大丈夫だろうか。
というのも、これまで芝1600mを「1分32秒1」以内の快時計で乗り切ったことのある馬は、日本レコード1分31秒5のゼンノエルシド以下、史上16頭いる。延べ頭数。
そのうち、前回1分31秒8のマグナーテンと、1分31秒9で京成杯AHを勝ったブレイクタイムは、まだその次に走っていないが、次走を経験した14頭、その成績は[0-1-2-11]。わずかにこの夏、ミデオンビットが1分32秒0のあと、京成杯AHを1分32秒6でギリギリ2着(3着と鼻差)して連対しているが、ほかの13頭は1頭も連対できないでいるのである。
ミデオンビットが連対してしまったため、連対0%の鉄則は崩れたが、理由のないジンクスではないので、なにかのときのヒントにして欲しい。マイル戦を激走すると、次に不思議なほど崩れてしまうのだ。
前走、1分31秒8で好走したマグナーテンは十分に間をあけてきた。京成杯AHも使わなかった。マイペース必至のここなら1800mも楽々と乗り切れそうな気がするが、マイル戦を好時計で激走したあとの次走として、初の勝利はあるだろうか。
今週、芝は15cmと長いが当然時計は速く、まともなら1分45秒前後も可能なスピードを持っているのだが…。