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大舞台で巻き返せる種牡馬

  • 2011年04月22日(金) 09時50分
 携帯サイト・競馬総合チャンネルに、これまで『血統コラム』を連載してきましたが、netkeiba.comへの展開に伴い、コラム名も一新。今週から、『血統が語る真実』で再スタートすることになりました。今後とも、よろしくお願いします。

 さて、今週は舞台を府中に移しての皐月賞。フジキセキ産駒のサダムパテック、ステイゴールド産駒のナカヤマナイト、オルフェーヴル、フェイトフルウォーの3頭、ディープインパクト産駒のトーセンラーといったところが、人気を集めそうだ。

 ディープインパクト産駒は他にリベルタス、ダノンバラードがいるが、前者はスプリングSで13着、後者は共同通信杯で9着と惨敗し、人気が急落している。

 この2頭が象徴するように、ディープインパクト産駒はトライアル戦線の権利取りのレースで、人気を背負って裏切るシーンが目立った。種牡馬としての前途に、暗雲が立ち込めたものである。

 ところが、いざ桜花賞を迎えると、マルセリーナがきっちりとゲットして、ここ一番の強さを見せつけた。野球やサッカーには普段は地味でも、スポットライトを浴びる大舞台や、優勝のかかった大一番になると、派手な仕事をする選手がいるものだ。ディープインパクトもそういう血統なのかもしれない。

 それでいくと今週の皐月賞も、人気を落としたリベルタス、ダノンバラードは要注意だろう。前者は朝日杯FS・3着、若駒S・1着、後者はラジオNIKKEI杯2歳S・1着のキャリアを持つ。ともに前走は惨敗したが、皐月賞に向けての重要なステップレースを好走しているだけに、「大舞台で変身」しても不思議はない。

 またリベルタスの母カーリングは仏オークス馬で、兄のローエングリンは仏遠征でG1・2着の実績を持つ。ダノンバラードも母はGIII・2勝馬で、母系は世界的な名牝系だ。2頭とも血統レベルは出走馬のなかで最高ランクにある。

 この母系に父がディープインパクトなら、成長力とクラシックの底力は見込めるだろう。皐月賞はこの2頭を穴に、先の人気馬を絡めた馬券を買うことにする。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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