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富士S

  • 2002年10月18日(金) 12時01分
 驚くべきことにこのメンバー、15頭立てのうち半数の7頭までが「1分32秒台」の時計を持っている。ふつう、マイルに1分32秒台の記録をもつ馬など超Aランクのオープン馬に限られるが、ここ1年ばかり中山の芝が異常に良かったこと。また、夏の新潟コースを走った馬は1分32秒台の時計をもつことになった。もちろん、能力がなければいかに芝が良くてもこの時計は出ないし、また現在の中山も高速の芝コンディションだから、時計を頼りにしてもOKだが、持ち時計が示すほどはAランクの能力があるわけではない馬もいるから要注意だろう。さらには、G1マイルCSに向けてのステップレースと考えている馬がいる点もポイント。

 すでに6歳秋のベテランで、今回は58キロも気になるが、ここに向けてきっちり仕上がったトウカイポイントに注目。

 再三の休養があったため6歳秋のわりにはまだまだ馬体も若い。3〜4歳時は準オープン級にすぎなかったが、5歳以降になって完全なオープン馬に出世した。

 春の中山記念1800m、1度は外のトラストファイヤーにかわされながら、最後の1ハロン11秒9のところで差し返して1分45秒4。コースレコードだった。中央入りしてから大半は1800m〜2500mに出走することが多いが、父トウカイテイオー、母の父リアルシャダイのイメージから中距離を選んでいるものの、この馬、本質はスピード型ではないだろうか。

 エアグルーヴが代表するパロクサイド一族は確かにスタミナもあるが、この馬は気性と体型から、1600〜1800mこそベストとみる。

 早め早めにスパートしたときのトレジャーと、まだ完調手前でも芝に転向して凡走なしのグラスワールド中心に流した。大穴は、いまなら1600mも持ちそうなエイシンコジーンの粘り込みだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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