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馬だって磨いてほしい(*^□^*)

  • 2011年06月09日(木) 18時00分
こんにちは、井月です。

なんだか、最近ムシムシして食欲がない…そんな方いませんか。
馬も食欲が落ちることがあるんですが、そんなとき僕らはまず馬の歯を見ます。

というわけで、6月4日の虫歯予防デーにちなんで今回は馬の歯磨きのお話。

あっ、今「馬も歯を磨くの?」と思われましたか? もちろんです!

ただし、人間のようにブラシでゴシゴシこするんじゃありません。削るんです。

ちなみに、馬の歯は牡が40本、牝が36本あります。牡の方が4本多いのは犬歯があるから。男女同じ数の歯がある人間とは少々違いますね。

また、馬の下アゴは、上アゴより内側にあります。そのアゴで飼い葉を擦るようにようにして食べるので、だんだん臼歯が斜めに削れて鋭くとがってくるうえに、外を向いてきてしまうんです。

こうなると、臼歯の先端がほっぺたを突き刺すようになってしまいます。つまり、このせいで口の内側から怪我をしてしまうんですね。そうならないように、このとがった歯を時々やすりを使って整えてあげます。

これを整歯というんですよ。

この作業、基本的に馬は…やっぱり嫌がります(^_^;)。

こちらは、先日のジーティルピアの整歯の様子。ね? ちょっと微妙な顔をしているでしょう?

整歯は3人がかり


いつもは、くるりとした目が可愛い美少女なんですけどね。

整歯には歯を削るヤスリなど特殊な道具をたくさん使うので、トレセン内にある競走馬診療所の獣医さんにお願いします。

まず、みんなで馬の口を大きく開けて歯の様子を確認してから、お口の中を水できれい洗います。その後、ヤスリでゴシゴシととがった部分が丸く滑らかになるよう削ります。あまり時間をかけると可哀想なので、手早くすることが大切です。

で、終わると馬もスッキリ(゜ー゜☆)

こうすることで、飼い葉を食べやすくなりますし、ハミ受けもよくなるんですよ。

そうそう、「歯を削って大丈夫なの?」と思った方もいますよね。そこは、心配ご無用。馬の臼歯は一生伸び続けるんです。

ホントは超美少女


さて、整歯も終わってルピアちゃんもご機嫌。これで、明日からまた元気に調教ができます。

あっ、これがいつものルピアです。競馬場でみなさんに会える日をルピアの楽しみにしていますので、みなさん応援してあげてくださいね。

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1990年3月3日に栗東所属で騎手デビュー。同年4月22日に初勝利。以降、平地障害共に騎乗し、94年キンセンアラシで中京障害Sを、00年武蔵野Sをサンフォードシチーで重賞制覇。07年2月20日に現役引退。通算成績は3186戦218勝。 08年に調教師免許取得、同年9月開業。37歳という若さと、騎手時代、調教助手時代を通じて松田国英厩舎や角居勝彦厩舎という名門厩舎で腕を磨いてきた実績により、開業当初から大きな注目を集めた。これまでJRA通算18勝(7月27日現在)を挙げ、09年7月8日にはジャパンダートダービーをテスタマッタで制し、開業1年目にして交流GI制覇という快挙を遂げた。

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