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ダート重賞の中央枠

  • 2011年07月08日(金) 18時00分
 6日に行われたスパーキングレディーCは、牝馬としては酷量ともいえる58キロを背負ったラヴェリータが、2着のトーホウドルチェに6馬身差をつける圧勝となった。スパーキングレディーCはこれで3連覇。牝馬限定のダートグレードは8戦6勝2着2回と連対パーフェクトで、牝馬同士では圧倒的に強いところを見せた。

 3歳ながらダートでは負けてないという実績と、53キロという斤量で1番人気となったアイアムアクトレスは、さらに1馬身半差をつけられて3着。着差はついたものの、1〜3番人気の決着で、3連単こそ1250円でかろうじて4桁配当になったものの、3連複は170円ときわめて堅い配当だった。

 今回残念だったのは、補欠1番のミラクルレジェンドが出走できなかったこと。ミラクルレジェンドは、ラヴェリータが不在だった昨年12月のクイーン賞を制し、TCK女王盃、エンプレス杯では、それぞれラヴェリータの2、3着という実績。もし今回出走していればそれなりの人気になって、これほど堅い配当にはならず、馬券的な妙味もかなり増したのではないだろうか。陣営も出走する気満々の様子だったので、なんとも残念なこと。

 所属ごとの出走枠は最初から決まっているのだから仕方ないといえば仕方ないのだが、それにしてもフルゲート14頭に対して、最終的に出走馬は10頭。出走すれば人気上位になることは確実な馬がいるにもかかわらず、出走枠がなお空いているという状況は、レースの興味を少なからず削いでしまっていると言って間違いない。

 こうした地方で行われるダートグレードにおける出走枠の問題は、このコラムでもたびたび指摘しているので、「またか」と思われる方もいるかもしれないが、レースの質を高め、面白くする、すなわちそれは馬券の売上げアップにもつながると思うのだが、そのためにはまだまだ改められなければならないことはいくつもある。

 ちなみに地方で行われるダートグレードでの中央所属馬の出走馬選定は、中央側のルールによって行われているが、これは本来ならばレースの主催者によって行われるべきもの。ただ一部を除き、地方競馬で行われている交流レースやJRA認定競走ではJRAから多額の資金が援助されているため、仕方のない一面ではあるのだが。

 たしかに当初からすれば、地方で行われるダートグレードの中央枠は徐々に緩和されてきているが、それはわずか1頭とか2頭のレベルでしかない。ダート路線が充実したことによって、中央所属馬でもダート路線を目指す馬たちの層が以前とは比べものにならないくらい厚くなっている。であるならば、中央枠のさらなる緩和が必要だ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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