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騎手対抗戦@盛岡

  • 2011年08月12日(金) 18時00分
 15日、盛岡競馬場でJRAと岩手の騎手対抗戦「東日本大震災復興祈念 JRA vs 岩手」が行われる。JRA、岩手それぞれ7名のジョッキーが、2レースのポイント制でチームの優勝と個人の優勝を争うという企画。

 発表されたのが8日だから、レースのちょうど1週間前。おそらくギリギリまで調整されての発表となったのだろう。当日は交流重賞のクラスターCが行われるとはいえ、チームJRAのほうは7名ものジョッキーの都合をつけるのは容易なことではなかっただろう。

 この対抗戦に参加する騎手のうち、福永、川田、藤岡佑の3名は、7月にも釜石を訪問するなど、震災の被災地や被災者の支援活動を積極的に行っている。

 こうした企画を短期間で実現させること対しては、ほんとうに頭が下がる思いだ。

 この日の盛岡競馬場では、対抗戦を行うというだけでなく、参加騎手によるトークショーや、昨年大井競馬でファンファーレを演奏した東京ブラススタイルと、被災地のひとつ、大槌町内の高校・中学校の吹奏楽部員による生ファンファーレおよび合同ミニコンサートを行うなど、さまざまなイベントが予定されている。

 中でも目を惹いたのが、「JRAチームは、今回新たに制作した同レースのみのオリジナル騎手服(制作/福島市・河野テーラー)を着用します」というところ。この勝負服にはサインを入れたうえで、表彰式終了後にチャリティーオークションが実施されるという。

 この対抗戦の計画がリリースされる数日前、福島の地元紙には、今年JRAの福島開催がなくなったことで河野テーラーが苦境に立たされているというニュースが掲載された。ちなみに河野テーラーとは、騎手の勝負服の仕立てでは、日本でもっとも有名なメーカーのひとつだ。

 JRAのジョッキーたちが、この日のためにオリジナルの勝負服をつくることにしたのは、おそらくこのニュースを見てのことだと思われる。そしてその勝負服やゼッケンなどのチャリティーオークションによる売り上げは、被災地や被災者へ寄付されることになるのだろう。

 競馬という限られた中でのイベントとはいえ、多方面、多岐に渡る被災地支援の企画だけに、心から応援しようと思う。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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