このレースまでに時計を推理できるようなレベルのダート1800mがないのがつらいが、先週までより調整によってダートコンディションが軽くなり、時計の速い状態に変化している可能性がある。8Rあたりが1分11秒台なら、確実に走りやすくなった証拠だ。
ハナを切らなければ、ここに挑戦した意味もなくなる15番スマートボーイを筆頭に、慣れない右回りとはいえ、11番・7番のアメリカ勢も行かないことには競馬にならない。これに人気の8番ゴールドアリュール、5番カネツフルーヴが追走する形は、ハイペース必至だろう。
3歳の8番ゴールドアリュール、また2番アドマイヤドンのダートでの能力はAランクだが、芝のスピード競馬と違って、激しい流れのダートG1では、きびしい競馬の経験豊富な古馬有利に傾く可能性がある。ダートではひとたび脚いろが鈍ったりするとアウトだからだ。
5歳の古馬・9番イーグルカフェに魅力がある。これまでダートは7戦して未勝利だが、パンとして走ったときの中身はきわめて優秀。珍しく出遅れなかった昨年秋の武蔵野S。東京ダート1600mを1分34秒7(上がり35秒9)で乗り切っている。
クロフネにはちぎられたが、高いダート適性がなければとても59キロを背負って、ダート1600mを1分34秒台では乗り切れない。
芝も平気でこなすため良績は芝に片寄っているが、もしずっとダートに出走していたならはるかに好成績を残していた可能性がある。
ガルチ(サンダーガルチなどの父)の産駒で、全兄のハセノガルチはダート通算9勝。この一族、早熟ではないのが特徴。ドバイにも、フランスにも遠征したほどタフ。ここでタフな底力フルに爆発とみた。ハイペース必至の展開、差す脚があるのが強みだ。
右回りのここに狙いを定めてJBCクラシックを回避した岩手の4番トーホウエンペラーにもチャンスはある。