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ばんえい3連単

  • 2011年09月02日(金) 18時00分
 8月6日からばんえい競馬でも3連複・3連単の馬券が発売され、4週が過ぎた。

 出走頭数が10頭以下の少頭数で争われるレースが多い地方競馬では、3連単でも1000円台だったり、ときには3桁だったりという低配当もめずらしいことではない。

 ばんえい競馬はフルゲートが10頭で、最近では8頭立てもめずらしくない。しかしある程度予想していたとおり、ばんえい競馬の3連単は、頭数が少なくてもけっこうな配当がつく。

 3連単導入以降で12日間の開催があり、計144レースが行われたが、そのうち3連単が万馬券になったのは半数を超える75レース。10万超の馬券は7レースもあった。逆に3連単としてはがっかりな2000円未満の配当は、わずか10レース。10頭立て以下の少頭数のレースしかない競馬のわりには、かなりの高配当が期待できるといっていいだろう。

 なぜばんえい競馬では高配当が期待できるのか。それは、平地の競馬と比べて不確定要素が多いから。

 その最大の要因が、ばんえい競馬の最大の難関ともいえる第2障害の存在だ。ばんえい競馬の場合、実力が抜けた馬でも第2障害で失敗すれば、あっさり着外ということもめずらしくない。それゆえ、よほど強い馬でも連戦連勝を長く続けるということはまずない。

 もうひとつ、馬場状態や負担重量などの要素が結果に与える影響が、平地の競馬に比べてかなり大きいということ。平地の競馬では、不良馬場になったり、負担重量が変わったりしても、走破タイムはせいぜい数秒しか変わらない。しかしばんえい競馬では、馬場状態や負担重量の変動によって、走破タイムは30秒や1分はすぐに変わってしまう。

 よく地方競馬がつまらないと言われる理由として、「いつも同じメンバーでレースをしている」ということがある。ところがばんえい競馬では、同じメンバーで同じ条件でレースをしたとしても、同じ結果になる可能性はそれほど高くない。それゆえ少頭数にもかかわらず、そこそこの配当がつくばんえいの3連単は、なかなかに魅力的だ。

 売上げ全体に占める3連単の割合は、導入1週目で40%ほどもあったという。残念なのは、馬券の総売上が目に見えて増えているわけではないということ。しかし長い目で見れば、馬連複・馬連単までしかなければさらに売上げが下がったかもしれないところ、3連単の導入によってこれまでと同じレベルで売上げが持ちこたえるかもしれないと考えることもできる。

 とにかくばんえいの3連単は、思った以上に配当がいい。8〜10頭立てで、5頭ボックスの60点買いや、1頭軸相手5頭の60点買いなど、一見無謀と思えるような買い方でも、的中すれば意外な高配当にありつけることがある。

 そこそこの高配当が出る要因としては、次の2つのパターンが多いように思う。ひとつは3着にとんでもない人気薄の馬がくること。もうひとつは、断然人気馬が3着以下に負けてしまうこと。ばんえいの3連単を買うときは、ぜひ参考にしてみてください。

 ばんえいの3連単、オススメですよ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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