スマートフォン版へ

阪神ジュベナイルF

  • 2002年11月29日(金) 12時12分
 2歳牝馬のローテーションは難しい。もちろんそれぞれの馬によって、仕上がりの早さや、成長過程も異なるが、早めに来春(3歳春の桜花賞)に見通しの立った馬は、できるだけ活力を温存したい。無理することなく、オーバーホールの期間もとりたい。

 注目のピースオブワールドは、2戦目の1400mで1分21秒5。96年の桜花賞2着馬イブキパーシヴのレコードと0.1秒差で楽々と突き抜けている。中1週を連続させて11月のファンタジーSを使わなくても良かった気がするが(どのみちG1のここは使うので)、これが将来に向けて吉とでるだろうか。

 なぜかというと、3戦目のファンタジーS1400mは、2戦目のかえで賞ほど強くなく、連続して使うのは正解でもないとみえたからだ。あのあと、中3週でここ。中間の動きから疲れなどの心配はまずないが、来春のためにはきちんとオーバーホールしたい。もうチューリップ賞あたりまで、がまんしてくれることを願いたい。

 いとこにG1を勝ちまくったタイキシャトル(父デヴィルズバッグ)がいて、母同士は全姉妹のうえ、デヴィルズバックもこちらの父サンデーサイレンスも、同じヘイロー直仔というだけでなく、きわめて似た血統構成を持った種牡馬になる。どこまで似るかは難しいが、多分距離適性などタイキシャトルにかなり似るだろう。タイキシャトルは13戦11勝だが、1600mはG1・4勝を含み6戦不敗だった。この点は似てほしいものだ。

 外枠に回ってしまったが、トーホウアスカの前走の切れ味(上がり33秒8)は見事。馬体重以上に大きくみせる豪快な大飛びのストライドだった。

 伏兵には、エリザベス女王杯馬リンデンリリーの産駒ヤマカツリリー(おそらく1600mの方がいい)を考えておきたい。ペリエ騎手のオースミハルカはもちろん切ってはいけない。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング