いよいよJBCが近づいてきた。その前哨戦として注目されるレースのひとつ、日本テレビ盃でのフリオーソとスマートファルコンの対戦も、このコラムが公開されるときにはすでに決着がついているはずだ。(※編集部注:フリオーソは競走除外)
東京競馬場での開催となる南部杯でのトランセンドとエスポワールシチーの対戦も楽しみだが、新設されたJBCレディスクラシックに向けた一戦、29日のレディスプレリュードにはなかなかのメンバーが集まりそうだ。
筆頭は、ダートグレード7勝、牝馬限定のダートグレードでは8戦6勝、2着2回というほぼ完ぺきな成績を残しているラヴェリータだが、現時点(9月20日現在)でJRA出走枠の選定馬となっている5頭は、いずれも重賞勝ち馬という好メンバー。
地方勢にとっても、グランダム・ジャパン古馬シーズンの最終戦となり、目下トップのエーシンクールディ(笠松)と、2位のショウリダバンザイ(北海道)が揃って遠征してくるようで、ここで優勝が決まることになる。
地元南関東勢では、南関東2冠を制し、残念ながらジャパンダートダービーは失格となってしまったが、クラーベセクレタが登録している。
前哨戦とはいえ、そのまま本番と言ってもいいようなメンバーが顔を揃えそうだ。ただ本番には、1着賞金4000万円を狙ってJRA勢は芝路線からも有力馬が参戦してくるかもしれない。
牝馬路線の充実ということでは、地方競馬では昨年からグランダム・ジャパンがスタートしたが、JRA所属馬にとっては、JBCレディスクラシックの新設はかなり効果があったように思う。
絶対的中心となりそうなラヴェリータは、JBCレディスクラシックのタイトルを獲得すべく、引退の予定を1年延ばした。JRAから船橋に移籍したザッハーマインも同様だ。ザッハーマインは当初登録があったレディスプレリュードは取消してしまったが、本番にはぜひとも間に合ってほしいところ。
JRAにはかつて古馬牝馬のGIがないことが問題視され、エリザベス女王杯が3歳以上のレースとなり、ヴィクトリアマイルも新設された。近年の、ウオッカやダイワスカーレット、ブエナビスタなどの活躍は、そうしたことの成果だったかもしれない。
JBCレディスクラシックができたことによってダート牝馬路線の層が厚くなれば、その影響は多岐に渡って期待される。今のところ牝馬限定のダート重賞は地方競馬でしか行われていないことから、地方競馬の盛り上がりにつながるであろうことがひとつ。もうひとつは、牝馬が牡馬にくらべてかなり安い金額でしか取引されないという生産地対策にもなる。
いずれダート路線でも、ウオッカやダイワスカーレットやブエナビスタ級の、牡馬を圧倒する牝馬の出現に期待したい。