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東京で岩手競馬の日

  • 2011年10月14日(金) 18時00分
 JRAでの開催となったマイルチャンピオンシップ南部杯は、岩手を代表して出走したロックハンドスターこそ残念な結果となったが、レースは見ごたえのあるすばらしいものだった。

 また、この日は南部杯がJRAの主催によって東京競馬場で行われたというだけでなく、盛岡競馬場では新設重賞・絆カップが行われたことで、これまでにはないさまざまな展開が見られた、画期的な1日でもあった。

 この日の東京競馬場では岩手に関連したさまざまなイベントが行われていたが、まず感慨深かったもののひとつが、通常岩手で使われているファンファーレが、南部杯の発走前に使われたことではなかっただろうか。

 そしてもうひとつ、地方重賞である絆カップのレース映像が、東京競馬場のターフビジョンでリアルタイムで放映されたことにもちょっとした感動を覚えた。

 東京競馬場では、101投票所が岩手の専用場外発売所となっていて、これまでも開催日には岩手競馬の馬券が発売されていたが、利用するのはごく一部の地方競馬ファンのみ。印象としては、かなり地味に岩手競馬の馬券が発売されているという感じに過ぎなかった。

 しかしこの日は、「岩手競馬を支援する日」として、その101投票所では著名評論家や競馬キャスターなどによるトークショーなどが行われ、岩手競馬の馬券を発売していることを大々的にアピール。そして絆カップの発走時刻を東京競馬場の最終レース後に設定したことで、ターフビジョンでの放映が可能となった。

 たまたま岩手の場外発売施設が東京競馬場内にあったために実現したことだが、いずれ早ければ来年度から、JRAのネット・電話投票システムで、ダートグレードをはじめとする地方競馬の主要レースの馬券が発売されることが決定している。そうなれば、今回のようにJRAの施設で地方競馬のレースがリアルタイムで放映されることも当たり前のこととなるのではないだろうか。

 思えば地方競馬の中でも、主催者を越えた広域発売が実現してからそれほど年月が経っているわけでない。

 中央・地方の交流が拡大されたのは95年だが、当時は交流重賞ですら、開催されている競馬場か、その専用場外でしか馬券を買うことができなかったのだ。

 交流重賞で初めて広域発売が行われたのは、96年のブリーダーズゴールドCだったと記憶している。たしかそれも全国発売ではなく、旭川競馬場と同じくナイター開催だった南関東だけだったように思う。その日は、そんな歴史的な出来事を体験すべく、ワクワクしながらわざわざ川崎競馬場に足を運んだことを今でも鮮明に覚えている。

 今回、東京競馬場で盛岡の絆カップの馬券を買い、そしてターフビジョンで盛岡の実況が流れてきたときの感動は、15年前の川崎競馬場で体験したものと似たような感覚があった。

 かつてはごく一部の限られたレース以外はまったくといっていほど中央・地方間の交流は行われていなかったが、今では条件クラスまで含めれば、ほぼ毎日のように交流レースが行われている。

 馬券の発売についても、今後は中央・地方間の垣根が徐々に低くなっていくのだろうという確信をもてた1日でもあった。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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