ホエールキャプチャはよくよく運に見放された馬のようである。桜花賞と同じく秋華賞も、外枠が仇となった。
鞍上の池添騎手はレース後、「内が有利な馬場なのは明らかだったし、早目に内に入れたかったが、入る余地がなかったね。勝ち馬とは内外の差で、コーナー毎に離されてしまった」(週刊競馬ブック)と答えている。
確かに、勝ったアヴェンチュラも2着のキョウワジャンヌも、4番枠、1番枠をうまく利して馬場のいい内側を回って、そのまま抜け出した。
しかし、枠がどうであれ、展開がどうであれ、こういう競馬しかできないのは、それが能力の限界という見方もできる。池添騎手を責めることはできないだろう。
ただし、ブエナビスタの例がある。追込み一手の勝ちパターンにこだわっていた安藤勝己騎手を、横山典弘騎手に乗り替えてみると、好位差しでも強いレースをすることがわかったことだ。
同じ騎手ばかりが乗っていると、その馬の長所、短所を知りすぎているがゆえに、大胆な乗り方も、逆転の発想もできなくなる。むろん、主戦はあくまでも池添騎手だが、ここいらで一度、別の騎手に乗ってもらうのも手かもしれない。
もし、それで結果が出なかったら、「ホエールキャプチャはGIでは決め手不足」ということがはっきりする。かりに勝ったとしても、池添騎手にとって不名誉なことにはならない。
なにせスプリンターズSではカレンチャンを勝利に導き、今週の菊花賞ではオルフェーヴルで三冠をめざす騎手だ。その腕前と度胸は、私自身が認めている。日曜日は三冠の美酒に酔いしれてもらうことにしよう。
相手本線はフェイトフルウォー。オルフェーヴルと同じ父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンの配合で、祖母の父も3000m級のGIに強いニジンスキーときている。おまけに曾祖母の父リヴァリッジは、米三冠第3弾ベルモントS(12ハロン)の覇者だ。
血統だけで判断するなら、スタミナ指数はフェイトフルウォーが断然の1位。次いでオルフェーヴルの順になる。