阪神2000mのこのレースは、2週前のG1朝日杯FSと少なくとも互角か、ときにはそれ以上の意味も価値もあることが多い。
これまでのパターンをみると、2分0秒8の大記録が残った00年(アグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネ)の年はあまりにハイレベルすぎて別だが、それ以外、だいたい2分3秒前後で乗り切って勝ち負けすれば、翌年のクラシック級になる。
(ジャングルポケットは3ヶ月の休養明けで2分1秒2だった。日曜の有馬記念でも、現4歳のトップのレベルを考えるうえで、この記録は隠れたポイントになる。)
注目は、ブルーイレヴン。今年絶好調の波を迎えたサッカーボーイ産駒で、母の父はシンボリルドルフ。牝系ファミリーは、ロングホーク、マサヒコギーク、クシロキングなどを送った非常にタフで底力のある一族。
まだ若く、口ムキの悪さなども見せているが、ここでスケールを発揮できれば、つまり2分2秒台ぐらいで乗り切ってくれれば、来季は路線のAランクの1頭になる。
大跳びだが、爆発力は十分。距離が2000mになるのも大歓迎だろう。
ザッツザプレンティは京都とはいえこの距離をすでに2回も2分1秒台で乗り切っているのが強み。前走、エイシンチャンプ(朝日杯馬)と0.1秒差というのは、実はあまり意味のあることではないが、追い出してから実に渋い味がある。母バブルプロスペクターは、バブルガムフェローの半姉で、父はサンデーサイレンス直仔。バブルガムフェローと非常に似たタイプとして育って不思議ない。
1勝馬ながら強気に西下したクラフトワーク(クラフトマンシップの半弟)は、馬体重以上に大きなストライドで、侮りがたい味のあるタイプに成長しそうだ。