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中山金杯

  • 2003年01月04日(土) 12時03分
 ハンデ重賞らしく、4歳馬から9歳馬まで6世代もの馬がそろった。みんな捨てがたい魅力があり、まして上下8.5キロもの差があるハンデ戦。

 衆目の一致する中心馬というほどの馬はなく(いれば2週前の有馬記念に出ている)、マトを絞りにくいこと著しいが、セオリー重視なら「4歳馬」狙いだ。軽いハンデに恵まれることの多い4歳馬は、いま上昇一途。過去20年間の勝ち馬のうち、実に半数の10頭までが4歳馬という記録がある。

 最大の注目馬は4歳コスモレジスタ。父のサッカーボーイは、昨年末の有馬記念にベテラン6歳馬として出走していたナリタトップロードのほか、菊花賞のヒシミラクル、秋華賞のティコティコタック、東スポ杯2歳Sのブルーイレヴンなどを送り、ここ2〜3年で評価一変の種牡馬。スタミナを伝えると同時に、タフな成長力と渋い切れを伝える。

 コスモレジスタはデビュー戦の新潟1800mで、いかにスローだったとはいえ上がり33.7秒の爆発力をみせた。かつて距離2000mで1分57秒台の当時の日本レコードを記録したサッカーボーイの一番いいところを受け継いだ形だ。

 3走前、この中山2000mを1分59秒8。上がり34.5秒で一気に差し切ったように、距離は2000m前後がベスト。母の父になるヨシノスキー(その父は大種牡馬ニジンスキーの全弟ミンスキー)は、この金杯を80年に伏兵として勝っている。一見、地味にみえる配合だが、底力も成長力も十分だろう。少し時計のかかる芝で52キロの軽ハンデ。大駆けの材料はすべて揃っている。幸い先行一手型もいてスローにはなりそうもない。

 6歳トーホウシデンは、3歳秋に大きな故障をしたため、6歳馬ながらまだまだ若い。前々走、G1・天皇賞をいきなり58キロで0.4秒差なのだから、とてもここでは軽視できない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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