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園田のナイター問題(2)

  • 2011年12月02日(金) 18時00分
 前回に引き続いて園田競馬場のナイター化問題だが、園田競馬場で以前から違和感を感じていたのが、交流重賞でも南関東などでナイターとして行われるレースは、場外発売が行われていないということ。正確には場外発売は行われているのだが、ナイター開催となる夜の時間帯には競馬場や馬券売場が閉められてしまう。ナイター競馬の場外発売を買おうとすれば、夕方までに買っておかなければならず、馬券を買ってその場でレース観戦ということができないのだ。

 地方競馬では、ナイター競馬が行われていない競馬場でも、大井や川崎のナイター開催の馬券を売っているところは少なくない。いや、少なくないというより、それができないのはおそらく兵庫だけなのではないか。

 たとえば南関東と開催日が重なることが多い笠松、名古屋などでは、自場の最終レースが終わったあとは、リレーナイターと称して引き続きナイター競馬の場外発売が行われる。

 園田競馬場ではなぜそれができないのか。先日園田競馬場を訪れた際に、場内実況のTさんから興味深い話を聞いた。

 関西圏では公営競技全般でナイター開催が少なく、特に競馬ファンの間ではナイターという雰囲気がまったく盛り上がらないのだそうだ。

 園田競馬は、ウインズ難波で場外発売が行われているが、Tさんの主張によれば、仮に園田競馬場のナイター開催が実現したときに、ウインズ難波で馬券発売できれば、立地的に相当馬券が売れるだろうとのこと。

 なるほどたとえば大井競馬場は都心部からかなり近いところにあり、トゥインクルレースも今年25周年で、ナイター競馬のファンの需要も掘り起こし尽くしている感がある。しかしそれがまったく手付かずの関西圏であれば、もしかして相当に大きな需要が眠っている可能性はある。

 園田競馬場のナイターを推進する際には、そうした「まだまだ売れる」可能性を強調してみるのはひとつの手かもしれない。馬券が売れて安定した黒字になれば税収も増えるのだ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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