中山金杯の6歳馬トーホウシデンの復活は見事だったが、レースの中身でいえば、西の京都金杯の方が一枚内容が上だった。
秋のマイルCSで良くみられるように、前半800mが46秒8、後半のそれが46秒9。合わせて1分33秒7。前後半のバランスの取れた平均ペースのマイル戦となり、各馬の現在の力量がフルに前面に出た。どの馬も力を出し切れる流れだったからだ。
勝った5歳サイドワインダーは道中は最後方にいた。それで直線は外に持ち出し、上がり33秒9。絶妙のタイミングで抜け出したグラスワールド(一連のマイルG1で好走)を一気に差し切ったのだから文句なし。上がり馬の勢いを評価され、ハンデは56キロ。軽量だったわけではない。
奥手タイプに出たときのトニービン産駒はだいたいが本物。ましてこの馬は、オークス2着などのゴールデンジャック産駒。この世代はトップがみんな引退してしまったが、代わってまたAランクの馬が出てきた。マイルを中心に大活躍の可能性があり、距離も2000mぐらいまではこなせるだろう。
グラスワールドは安田記念4着馬らしい力を示し、また3着ローズバドも例によって勝ちみには遅かったものの、トップクラスの底力を見せつけている。そしてマイルCSを3着のリキアイタイカンが小差4着だから、上位は力量通り(ランク通り)だ。
とすると、今回は少し早めに動き、一度は抜け出すかと思えて止まった4歳モノポライザーはちょっと物足りない。非力にみえた体は大きくなりつつあるが、本格化はもう少し先だろう。背負い頭の5歳メイショウラムセスは伸びずに9着だったが、どうやらレース中に脚元に不安が生じたようだ。