スマートフォン版へ

京都金杯

  • 2003年01月07日(火) 11時52分
 中山金杯の6歳馬トーホウシデンの復活は見事だったが、レースの中身でいえば、西の京都金杯の方が一枚内容が上だった。

 秋のマイルCSで良くみられるように、前半800mが46秒8、後半のそれが46秒9。合わせて1分33秒7。前後半のバランスの取れた平均ペースのマイル戦となり、各馬の現在の力量がフルに前面に出た。どの馬も力を出し切れる流れだったからだ。

 勝った5歳サイドワインダーは道中は最後方にいた。それで直線は外に持ち出し、上がり33秒9。絶妙のタイミングで抜け出したグラスワールド(一連のマイルG1で好走)を一気に差し切ったのだから文句なし。上がり馬の勢いを評価され、ハンデは56キロ。軽量だったわけではない。

 奥手タイプに出たときのトニービン産駒はだいたいが本物。ましてこの馬は、オークス2着などのゴールデンジャック産駒。この世代はトップがみんな引退してしまったが、代わってまたAランクの馬が出てきた。マイルを中心に大活躍の可能性があり、距離も2000mぐらいまではこなせるだろう。

 グラスワールドは安田記念4着馬らしい力を示し、また3着ローズバドも例によって勝ちみには遅かったものの、トップクラスの底力を見せつけている。そしてマイルCSを3着のリキアイタイカンが小差4着だから、上位は力量通り(ランク通り)だ。

 とすると、今回は少し早めに動き、一度は抜け出すかと思えて止まった4歳モノポライザーはちょっと物足りない。非力にみえた体は大きくなりつつあるが、本格化はもう少し先だろう。背負い頭の5歳メイショウラムセスは伸びずに9着だったが、どうやらレース中に脚元に不安が生じたようだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング