古馬のレースのマイル戦以上だと、レースの流れ(展開)は大きな比重を占める。
ただし、これはあまりに当たり前のことだが、先行馬がそろって速くなる公算大(とみんなが考えると)、騎手も陣営もやっぱり同じことを考えるから、意外に速くならないことが多い。相手の脚質を読める上級条件ほどこのパターンになる。
逆に、だれが考えてもスローの公算大だと、思い切って注文をつけて行く騎手が出現したりして、意外やスローにならなかったりする。
展開の推理はいつも「逆」も考え、最終決断は他人の読みや、風評に流されないことが肝心。迷ったら、たぶん8割方の公算より、残り2分に考えを回転させた方がいい。
12月の朝日杯などその典型で、武豊騎手もペリエ騎手も自分が行く形を取れば、途中から流れは落ち着くと考えていた。しかし、2歳戦、速くなりかけたのは分かっていても、気分をそこねるように途中で下げるわけにはいかなくなっていたのだ。
14番イカルスドリームは前走45.3−48.2秒の猛ペースで行き粘っている。1分33秒5。
ところがこの馬、昨年の春には47.1−46.3秒のスローに近いペースで1分33秒4で勝っている。5ハロン通過を前走のように56秒8で行っても、昨年3月のように58秒9で逃げても、力が発揮できるのである。
飛ばすこともできるが、今回は15番マティーニ(7歳牝馬)がただ1頭の同型馬。
ペースは5ハロン通過58秒0前後の、もっとも能力の発揮しやすいやや速めの平均ペースになると読むべきだろう。この流れだと、他馬にもフルに能力を発揮させてしまう危険も大きくなるが、イカルスドリーム自身がバテる危険はきわめて少ない。
注目は2番ダンツシェイク。この馬、菊花賞にも出走した馬で1600mは初めてだが、意外にこの距離の方が持ち味が生きそうだ。