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続・NARグランプリ展望

  • 2011年12月23日(金) 18時00分
 先々週のこのコラムで、NARグランプリ2011の受賞馬を展望してみたが、今回は受賞者のほうの展望をしてみたい。

 といっても、受賞馬については選定委員による討議のあと多数決で決定されるので、個人的な予想とは違う結果になることもあるのだが、「人」のほうは絶対的な数字で決められる部門が多いので、すでにほぼ当確という人もいる。

 その当確マークがついているのは、調教師、騎手ともに最優秀賞金収得の部門で、川島正行調教師(船橋)と戸崎圭太騎手(大井)のコンビだ。フリオーソでのJpnI・2勝を筆頭に、クラーベセクレタで重賞6勝、ナイキマドリードでのさきたま杯JpnIIのほか、マニエリスム、マズルブラストでも重賞を制した。調教師、騎手の表彰が、賞金、勝利数、勝率の部門別に行われるようになった09年から、両者ともに3年連続での受賞となる。

 最優秀勝利回数調教師賞は雑賀正光調教師(高知)で、これも当確だ。11月26日に240勝に達し、地方競馬の年間最多勝記録を更新。12月21日までにその記録を257にまで伸ばし、2位の角田輝也調教師(愛知)には32勝もの差がついている。昨年の田中守調教師に続き、高知所属の調教師が受賞となる。

 最優秀勝利回数騎手賞は、12月21日現在で戸崎圭太騎手が318勝、2位の木村健騎手(兵庫)が267勝だから(ともに中央の成績も含む)、これも戸崎騎手が3年連続での受賞となりそうだ。

 過去2年とも接戦だったのが最優秀勝率調教師賞の部門だが、今年は柏原誠路調教師(兵庫)がここまで唯一30%超えの34.2%で抜けている。そして騎手については3年連続赤岡修次騎手(高知)で当確。こちらも唯一30%を超えとなる35.9%は圧倒的だ。

 殊勲調教師賞・騎手賞はどうだろう。今年、川島・戸崎コンビ以外で地方所属馬がダートグレードを制したのは、ボランタスの浦和記念JpnIIのみ。川崎の山崎親子が受賞するかどうか。

 優秀新人騎手賞は、12月21日現在で今年85勝を挙げている島津新騎手(ばんえい)が断然。先日発表された日本プロスポーツ大賞の新人賞とダブル受賞となる。

 優秀女性騎手賞は、近年その座を争っている別府真衣騎手(高知)、山本茜騎手(愛知)が、ともに今年は韓国で活躍。地方競馬では別府騎手7勝、山本騎手34勝となっている。この数字だけなら山本騎手が受賞する可能性が高いが、韓国の成績も評価されるのかどうか。

 特別賞については、今年通算3000勝に到達した騎手がいないので、それ以外の何かが評価されるかどうか。たとえば戸崎圭太騎手は安田記念を制したが、これが何か表彰の対象になるかどうか。あとは地方通算626勝を挙げて引退した宮下瞳さんも何らかの表彰がされるべきと思う。

【お知らせ】
『地方競馬に吠える』の次回更新は1/13(金)になります。ご了承の程よろしくお願い致します。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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