1月のJRAの重賞は11レース組まれていたが、キングカメハメハ産駒が4レース、ディープインパクト産駒が3レースの固め勝ちをした。
キングカメハメハの場合、サンデー牝馬に恵まれているのは確かだろう。しかし重賞勝ち馬に限定すれば、牝馬三冠のアパパネを筆頭に、むしろ母の父にサンデーを従えていない馬のほうが多い。
1月の4頭の重賞勝ち馬を見ても、それがよくわかる。母の父にサンデーが入っているのはトゥザグローリーだけ。あとはルーラーシップ(母の父トニービン)、ロードカナロア(母の父ストームキャット)、ヒラボクキング(母の父ラーイ)と、それぞれ母の父が違っている。
キングカメハメハはサンデー系の長期政権の牙城を突き崩し、2年連続の日本リーディングサイヤーに輝いた。しかし、それは単にサンデー牝馬に助けられて、成し得たものではないのである。この点が、クロフネら同じ非サンデー系の種牡馬とは大きく異なる。キングカメハメハの遺伝力が、それだけ優れていることの証明とも言えるだろう。
冬場の荒れた芝の馬場、芝の道悪馬場に強いのも、キングカメハメハ産駒の特徴だ。ルーラーシップが勝ったアメリカJCCは不良馬場だったが、昨年5月に勝った金鯱賞もやはり不良馬場だった。
またアメリカJCCがあった日、小倉の関門橋Sも重馬場だったが、同じキングカメハメハ産駒のヒットザターゲットが、8番人気で勝ってオープン入りを果たしている。その前日、京都の若駒Sも、やはりキングカメハメハ産駒のゼロスが、重馬場をまんまと逃げ切ってオープン入りを果たした。
キングカメハメハの血統構成は、力のいる欧州競馬に強いパワー血脈の凝縮である。産駒が道悪に強い秘密は、そこにあると思われる。むろん、産駒は良馬場でも能力を発揮するが、冬場の荒れた芝、道悪の芝ならより信頼性が高くなる。人気薄の場合は穴候補にもなる。この条件下のキングカメハメハ産駒は、今後も注意したい。