人気の14番ニホンピロサートはうまく外枠を引いた。ここまでダートは18戦してすべて3着以内。この1200mには[5-3-2-0]の良績があり、1分10秒台の記録が合計3回もある。
父スターオブコジーン(その父コジーン)はアメリカ馬にしては珍しく、芝だけで快走した馬で、芝のヨーロッパに遠征したりした経験をもっている。産駒はダートをこなせないことはないが、どちらかといえば明らかに芝向き。古馬になって強くなったあたりは遅咲きだった父に似ているが、ダートのうまさは母方の影響だろう。
母はダートで2勝しただけの平凡な成績だが、その全兄にマイラーズCなど8勝もしたニホンピロプリンスがいた。また半弟には、南部杯G1やエルムSを勝ったニホンピロジュピタがいる。母方は配された種牡馬によってダート巧者も送っている。
注目は母の父になる名種牡馬ニホンピロウイナーのもつ幅の広い可能性だろう。ニホンピロウイナーは全16勝を芝で記録しているが軽いスピード型ではなく、2000m級を乗り切る粘り強さもあった。
その牝系に配されてきた種牡馬は、順にチャイナロック、ライジングフレーム、ダイオライト…。ニホンピロウイナーのいとこには公営のA級馬ジングウブレーブもいる。とくに母の父チャイナロック(父ロックフェラ)の強力な影響力を考えると、ニホンピロウイナーはダート適性もある底力をもったスピード型だったともいえる。
この系統はタフで、ブルードメアサイアーとなっても強力な影響力を発揮するのがパターン。どうやらニホンピロサートの古馬になっての成長力と、実は大変なダート巧者であることが証明されているのは、母の父ニホンピロウイナーの種牡馬としての奥の深さなのだろう。これから、もう少し距離はのびても大丈夫。めったに崩れないオープン馬としてもっと強くなりそうだ。