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根岸S

  • 2003年01月31日(金) 11時49分
 人気の14番ニホンピロサートはうまく外枠を引いた。ここまでダートは18戦してすべて3着以内。この1200mには[5-3-2-0]の良績があり、1分10秒台の記録が合計3回もある。

 父スターオブコジーン(その父コジーン)はアメリカ馬にしては珍しく、芝だけで快走した馬で、芝のヨーロッパに遠征したりした経験をもっている。産駒はダートをこなせないことはないが、どちらかといえば明らかに芝向き。古馬になって強くなったあたりは遅咲きだった父に似ているが、ダートのうまさは母方の影響だろう。

 母はダートで2勝しただけの平凡な成績だが、その全兄にマイラーズCなど8勝もしたニホンピロプリンスがいた。また半弟には、南部杯G1やエルムSを勝ったニホンピロジュピタがいる。母方は配された種牡馬によってダート巧者も送っている。

 注目は母の父になる名種牡馬ニホンピロウイナーのもつ幅の広い可能性だろう。ニホンピロウイナーは全16勝を芝で記録しているが軽いスピード型ではなく、2000m級を乗り切る粘り強さもあった。

 その牝系に配されてきた種牡馬は、順にチャイナロック、ライジングフレーム、ダイオライト…。ニホンピロウイナーのいとこには公営のA級馬ジングウブレーブもいる。とくに母の父チャイナロック(父ロックフェラ)の強力な影響力を考えると、ニホンピロウイナーはダート適性もある底力をもったスピード型だったともいえる。

 この系統はタフで、ブルードメアサイアーとなっても強力な影響力を発揮するのがパターン。どうやらニホンピロサートの古馬になっての成長力と、実は大変なダート巧者であることが証明されているのは、母の父ニホンピロウイナーの種牡馬としての奥の深さなのだろう。これから、もう少し距離はのびても大丈夫。めったに崩れないオープン馬としてもっと強くなりそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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