スマートフォン版へ

北海道の2歳路線

  • 2012年02月24日(金) 18時00分
 4月からの新年度の開催日程や重賞スケジュールが主催者ごとに順次発表されている。その中でもっとも気になっていたホッカイドウ競馬の日程も発表になった。

 昨年は、JRA認定競走の制度などができて以来、はじめてホッカイドウ競馬の2歳馬が夏のJRA北海道シリーズ(函館・札幌)でひとつも勝つことができない年となった。

 すでに発表されている今年のJRAの開催日程では、札幌競馬場の大改修が始まるなどの理由で、函館が2開催12日間、札幌が2開催14日間と、従来の年より6日間(3週)も開催日数が減っている。さらには、これまでJRA北海道シリーズは6月第3週からスタートしていたものが、1週繰り上がって第2週から始まる。そして驚いたのが、昨年は8月1週目に行われた函館2歳Sが、今年は7月第2週と3週も(!)繰り上がっていること。

 これまで函館2歳Sを狙う道営勢は、7月第1週の栄冠賞から中2週でJRAのラベンダー賞、そして中1週で函館2歳Sというのがメジャーなローテーションだった。それが今年はどうなるのかが気になっていたのだ。

 そして発表されたホッカイドウ競馬の重賞スケジュールでは、栄冠賞は6月最終週(28日)で1週繰り上がったのみ。JRAの夏の番組が発表されていないのでラベンダー賞がいつなのかはわからないが、なんと栄冠賞から中1週で函館2歳Sとなる。ラベンダー賞を組むとすれば、2回函館の1週目、6月30日か7月1日となるのだろう。そうなると、栄冠賞からラベンダー賞へというローテーションが不可能となる。

 そのほかホッカイドウ競馬の2歳重賞ではブリーダーズゴールドジュニアCが2週繰り上がった。一方で、8月後半以降に行われる2歳重賞の多くは1週ずつ繰り下げられるなど、日程を組むにあたっての苦労の跡がうかがえる。

 ホッカイドウ競馬の2歳馬がこれまでJRAの北海道シリーズで活躍してきた要因としては、デビューが早くレース経験が豊富ということがあった。しかし今年はJRAの新馬戦が始まるのも早くなり、そうしたアドバンテージがあまりなくなってしまう。

 こうした日程の変更によって、もしかしてホッカイドウ競馬からJRAに挑戦する2歳馬が減ってしまうのではということも考えられるが、実際にはどうなるだろう。

 JRA北海道シリーズは地方馬が活躍できる舞台として盛り上がってきただけに、なんとかホッカイドウ競馬所属馬には奮起を願いたいところだが、今年の大幅な日程変更によってどんな影響があるのか。注意深く見守りたい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング