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開催中止の影響

  • 2012年03月02日(金) 18時00分
 ご存知のとおり、エンプレス杯が行われる予定だった川崎開催が雪のため中止になった。

 ダートコースの雪対策というのは、ひたすら馬場にハローをかけ続けるんだそうで、夜中のうちからずっとハローをかけ続けていたにもかかわらず、雪は昼過ぎまで降り続いたため、開門はしたものの残念ながら中止にせざるをえなかったという状況だったようだ。

 エンプレス杯だけでもなんとか翌日か翌々日に延期してでもやってほしかったとは思うが、エンプレス杯当日には翌々日の金曜日までの出馬投票が終わっていて、木曜日も金曜日もフルに12レースの枠順が出てしまっていたため、レースを追加することはできず。さらにJRAとの関係から土日に代替開催というわけにもいかなかったのだろう。

 JRAの場合、中止になれば月曜日に代替開催へという手続きが粛々と進むのだろうが、平日ほぼ毎日開催している南関東は代替開催となると日程的にどうしても困難がともなう。そういう状況ゆえにエンプレス杯の中止は仕方ないとも思うが、こうしたときにさらに残念に思うのは、予定されていた他場の発売もやめてしまうことだ。

 この日の川崎競馬場では、笠松競馬場のメインの併売が予定されていた。JRAに移籍した安藤光彰騎手の現役最後となったレースだ。

 南関東の馬券の売上げは地方競馬の中ではやはり圧倒的に大きなもので、南関東以外の競馬場にとっては、南関東での場外発売があるかどうかによって売上げが大きく変わってくる。それゆえ笠松競馬にとってみれば、南関東での発売がなくなったのは大きな痛手となったことだろう。

 これは南関東に限ったことではなく、どこの競馬場でも自場開催がなんらかの理由で中止になると、併売している馬券発売も中止になってしまうというのが、今のところ一般的なようだ。とはいえ、たとえ開催が中止になったとしても、ほかに開催されている競馬場があれば、馬券を買いたいというファンは少なくないはずだ。

 現在、地方競馬では全場共通の共同トータ化が順次進められている。全場対応のマークカードに切り替わっているところは、それが完了している競馬場または場外施設だ。これを機に、そうした場外発売の問題は解決できないものだろうか。馬券を買いたいファンがいるのに、その機会を逃しているというのはなんとももったいない。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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