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ロージズインメイが急浮上

  • 2012年03月09日(金) 12時00分
 日本軽種馬協会の総合種牡馬ランキング(JBISサーチ)を見て驚いた。3月7日現在、サンデー系の種牡馬がベストテンに7頭もいる。5頭ぐらいなら見慣れているが、7頭も見たのは初めてのような気がする。

 2位のディープインパクト、4位のフジキセキ、5位のゴールドアリュール、8位のゼンノロブロイ、9位のダイワメジャー、10位のアグネスタキオンがそれだ。

 15位まで広げると、そこにはハーツクライ、ネオユニヴァース、ステイゴールドがいる。かりに上記7頭のどれかが脱落しても、この種牡馬たちが代わっててベストテン入りすることだろう。

 この激しい逆風の中、ベストテン内で奮闘する非サンデー系の3頭は、1位キングカメハメハ、3位クロフネ、7位シンボリクリスエス。次いで13位のロージズインメイが、ベストテン入りを狙っている。

 3世代目のコスモオオゾラが、3月第1週の弥生賞を勝ったことで、ロージズインメイはここまで順位を上げた。

 2005年のドバイワールドCの覇者である。「ラフィアン」でおなじみの岡田繁幸氏が、社台グループに対抗すべく導入した大物種牡馬で、大変な力の入れようだった。

 しかし、芝もダートも勝ち切れない産駒が目立ち、昨年4月、重馬場のフローラSでアタマ差2着になったマイネソルシエールが、これまでの出世頭。3世代目にして、初のJRA重賞勝ちというのは、やはり物足りない。

 産駒の勝ち上がり率はまずまずで、クラシックに向けてのステップレースでも、そこそこのレースをする。が、その先がない。血統表を見る限りでは、明らかにパワータイプ。高速決着のスピードと瞬発力を、日本の芝で期待するのは難しそうだ。

 ただ、そのぶん荒れて力のいる芝、雨でぬかるんだ芝は強い。今後も、この二つの条件下で走る産駒は、人気薄でも目をつぶって押さえておこう。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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