ディープインパクトの2世代目は、2月のクイーンCまで重賞7連勝(出走機会)の快進撃を続けた。しかし連勝記録がストップした途端、トライアル戦線で去年と同じようなもたつきを見せ始めている。
賞金的に権利のある馬にとって、トライアルは叩き台とはいえ、今週のスプリングS、若葉Sは本番に直結する大事な一戦。このあたりでスパッと決めてもらわないと困る。
ディープブリランテの前走、共同通信杯は休み明けでプラス12キロの余裕残しだった。通常なら変わり身が期待できるケースだ。ここを3着以下に負けるようだと、ディープインパクト産駒の成長力そのものに、赤信号がともることになる。
若葉Sに出走するワールドエースは、母系にステイヤー色の濃いドイツ血脈を従えている。母は独オークストライアルを勝ち、独オークスで3着した馬だ。また母の父アカテナンゴは、1980年代のドイツ最強馬(年度代表馬3回)にして、独リーディングサイヤー5回の名種牡馬である。
1995年のジャパンCにドイツから遠征し、名牝ヒシアマゾン以下を退けて勝ったランドを含め、独ダービー馬も3頭出した。2005年に死亡したが、近年は母の父として躍進が著しく、アニマルキングダム(ケンタッキーダービー)、ヴァルトパルク(独ダービー)といった大物が相次いでいる。
サンデーは欧州の牝馬と相性が良く、中期以降は、この配合でスタミナに優れた活躍馬を続々と出した。ディープインパクト(三冠馬)、マンハッタンカフェ(菊花賞、天皇賞・春)、ネオユニヴァース(皐月賞、日本ダービー)らが、それである。
サンデーの後継種牡馬も、全体に欧州の牝馬と相性がいい。ディープインパクトも産駒にスタミナ、成長力を期待するには、やはりステイヤー牝馬との配合がベターだろう。
もしディープブリランテ、ワールドエース2頭が、仲良く期待を裏切るようなら、ディープインパクトの遺伝力そのものが、疑われることになる。去年と同じ流れにならないことを、祈るのみだ。