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共同通信杯

  • 2003年02月07日(金) 13時00分
 毎年、この時期の3歳馬は、古馬のトップグループとは違って、評価が一転二転、大きく変化する。とくにこのメンバーは、ここでキチッと結果を出すなら、Aランクは無理としてもクラシック路線の「Bクラスなら…」という組み合わせだ。

 良血馬としての潜在人気や、風評に左右されることなく各馬の可能性を見極めたい。とくに注目の良血馬ブラックカフェあたりは、2度も連続して非常に情けないレースをしているだけに、ここは正念場だろう。3度も凡走すればさすがに脱落する。

 地味なタイプであくまで伏兵だが、マジックボーイの可能性に注目したい。前走は11番人気。もう見放されていたが、先行策をやめて一転差す形をとると、2000mを2分1秒4の好時計で圧勝してみせた。この時計は、同じ芝Bコースで行われた2週後の「京成杯」の2分1秒7を上回っている。

 レースの流れはマジックボーイの勝った寒竹賞も、ブルーイレヴンが引っぱる形になった京成杯も、前半1000mは59秒3と59秒4でまったく同じ。底力が問われる厳しい流れになって、京成杯のスズカドリームや、テイエムリキサンを上回る2分1秒4は時計通りに非常に価値がある。差す形が合っていたのだ。

 地味な血統のようにみえるが、3代母は桜花賞など8勝もしたナスノカオリ(父パーソロン)。その全妹には同じくオークスなど8勝のナスノチグサもいる。祖母はラディガ、母はアンバーシャダイ。底力を伝える。

 父カーネギーは不振だが、シャトル先のオーストラリアでは2頭もG1馬を送り、決して失敗の種牡馬ではない。海外での評価の方がずっと高く、もう日本には(たぶん)帰ってこないだろうが、残した産駒から注目馬が出るのは世界で良くあるパターンだ。

 スタミナはある。成長力もある。デキは文句なしだけに、再度の大駆けがありそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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