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バレンタインS

  • 2003年02月14日(金) 11時28分
 もう7歳になり、これまで1600m以上で計25戦してきた8番ショウナンマインド(父トニービン、母の父ノーザンテースト)が、突然、初めて芝1200mに出走してきた。

 ふつうベテランになるとズブくなり、より長い距離に出走したりすることが多いものだが、一転の距離短縮は成功するだろうか。

 いきなりのハイペースにとまどい、いつものリズムを崩し凡走の危険はある。ふつうに考えると狙いの根拠は乏しい。

 ただし、このショウナンマインドを含む今回の1200mメンバーが、非常にレベルが「高い」とみれば、逆に狙いの根拠が成立する。というのは、たとえばスプリンターズSなど、ハイレベルの短距離戦は、圧倒的なスピード能力が求められると当時に、最後に明暗を分けるのは総合力であることが多い。

 したがって、良くいわれるように、1200mのレースなら、1400mか1600mの力関係を当てはめるときにこそ、正解が出てくるという鉄則のパターンがある。この初挑戦馬は、その形になる可能性を秘めている。

 前走は東京新聞杯1600m。条件馬のこの馬は当然負け、11番人気で6着にとどまったが、1分33秒0で乗り切っている。人気のグラスワールドあたりとはほとんど差がなく、新星ボールドブライアンとも差は0.7秒だけ。決して完敗の凡走ではなかった。

 今回のこのメンバー、もし東京新聞杯に出走していたら、間違いなく2ケタ着順だろう。そういう意味で、総合力No.1はショウナンマインドである公算が大きい。なだめて1600mのレースで折り合わせ、解き放つと上がり33秒台でも伸びる馬。本質がファンシミン系(ダイナマイン、ダイナシュートなど)のスピード型とみれば、初の1200mで一変があって不思議ない。人気薄だけに狙う価値はある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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