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GI勝ち馬は5キロ増

  • 2012年04月27日(金) 18時00分
 5月4日に行われる、かきつばた記念の負担重量を見てちょっと驚いた。スーニとサマーウインドが60キロを背負わされる。

 東京スプリントで11着と思わぬ敗戦を喫したスーニはすでに回避したが、サマーウインドのほうは、先日たまたま庄野調教師にお会いしたときに聞いたところ、ほかに使うようなレースもないので60キロでも出走するとのこと。今年のJBCスプリントが川崎の1400メートルということもあり、それに備えてという意味もあるらしい。で、かきつばた記念の負担重量を転載する。

54キロ、牝馬2キロ減 ただし下記(1)〜(3)のとおり加増する(2歳時の成績を除く)

(1)2012年4月29日まで、GI・JpnI競走1着馬5キロ増、GII・JpnII競走1着馬3キロ増、GIII・JpnIII競走1着馬1キロ増
(2)(1)の重量に加え、G・Jpn競走通算3勝以上馬は1キロ増、さらに2勝ごとに1キロ増
(3)負担重量の上限は60キロ、牝馬58キロ

 4歳以上のレースのわりに基礎重量が軽く抑えられているものの、G(Jpn含む、以下同)I勝ち馬の5キロ増というのはなんともスゴイ。

 ちなみに昨年はどうだったか。基礎重量は同じく54キロ(牝馬は52キロ)で、出走していた中央馬4頭のうちセイクリムズン、ミリオンディスク、セレスハントの3頭が、いずれもGIIIを2勝だったため、別定での加増はプラス1キロのみ。スーニは昨年も登録のみで回避していて、今年と同じ負担重量の設定であったならやはり60キロを背負うことになり、したがって約2週後の京都・栗東S(8着)のほうにまわったのかもしれない。

 仮に(3)の上限60キロ(牝馬は58キロ)がなかったとすると、今年、サマーウインドは60キロのままだが、スーニは62キロになる。ちなみにGIやGIIの勝ち星がなくGIIIのみを勝って上限の60キロに到達するには、11勝もしなければならない。そんな馬がいるのか。それに近い馬ならいた。2010年限りで引退したメイショウバトラーは、芝も含めてGIIIでのみ10勝を挙げた。

 やはりGIを1勝しただけで5キロの一気加増というのはちょっと極端すぎないだろうか。最近のダート交流重賞では地方馬は手も足も出ないというような結果もたびたびなだけに、こうした負担重量の設定になるのだろう。

 たしかにそのほうが馬券的な妙味は増すかもしれない。であれば、こうした極端な別定重量にするのではなく、いっそのことハンデ戦にしてしまったほうがすっきりすると思うのだが、どうだろう。

 3月23日付の本コラムで、ダート交流重賞では中央馬の単勝が一桁台で、地方馬はすべて万馬券という、あまりの実力差ゆえ極端なオッズになってしまうことがたびたびあることを指摘したが、それを解決する手段は、こうした極端な別定重量の設定ではないように思うのだが。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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