京都外回りの2200m。ここには春の天皇賞を展望する馬もいるが、中距離能力重視の距離だろう。ましてこのメンバー、レースを引っ張る馬不在。それでなくともスローになりやすい(長丁場に近いと考えてしまう陣営もいる)距離だけに、実質マイル戦にも近いようなスピード能力と切れが求められそうだ。スタミナ型は苦しいとみたい。
本来の注目は5番サンライズジェガー。軽ハンデだったとはいえ、中山2500mを2分30秒6で圧勝している。有馬記念3着のコイントスが離されたのも当然で、2分30秒6はタイレコード。12月の有馬記念より2秒も時計が速かった。57キロのここで真価を問いたいが、距離不足に加え、ポン駆けするタイプともいえず、今回は直前の動きももう一歩。使っての良化に期待したい。
4歳、6番ノーリーズンの巻き返しに注目していい組み合わせと距離だ。昨秋は1番人気の菊花賞で落馬、すっかりリズムが崩れてしまったが、この馬、距離が延びると好ましくない面がある。まず長距離G1馬より、本当はマイラーが多いブライアンズタイムが父。母の父はミスタープロスペクター。母アンブロジンのいとこには、ヤマニンパラダイスがいる。昨年のこの時期、1600mをシャープに伸びて勝ち、皐月賞は芝が良かったとはいえ1分58秒5のレコード。最大の良さは2000m前後にありそうだ。追い込み一手型が多い中、この馬は早め早めに進出できる自在性がある。皐月賞の好位差しがそうだった。
トニービン産駒の12番ユウワンプラテクトも侮れない。長い距離を使うことが多いが、1800mに1分46秒2があり、本当はマイルから2000m級が合っている公算大。ましてこの中間の動きは目立って良く、配してきたのはペリエ騎手。格は下でも切れ味の勝負に持ち込めそうだ。ムラな2番ファストタテヤマも、直線の切れ味だけの勝負になるようだと、この馬の一番の長所「切れ」が生きる。