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フェブラリーS

  • 2003年02月21日(金) 11時27分
 ダート戦は、高速のスピードと切れが求められる芝と違って、厳しい競馬を経験してきたベテランの古馬有利。短距離はともかく、1800m以上で、とくに時計のかかるタフなコンディションになると、歴戦のベテラン組が台頭するケースが多い。

 それを改めて感じさせたのが、昨年11月のG1、ジャパンCダートだった。デットーリの乗った5歳イーグルカフェが苦しいインをこじあけ、6歳のリージェントブラフがゴール寸前届いている。

 人気のアドマイヤドンとゴールドアリュールは善戦しながらも、あと一歩が足りない3着と、5着に終わった。ただし、あのメンバーは、もう少し経験を積み、当時の3歳馬がパワーアップするなら、ベテラン組より3歳アドマイヤドン、ゴールドアリュールの方が秘める能力や可能性は一枚上、とも感じさせる力関係だった。

 あれからまだ3ヶ月が経過しただけだが、ゴールドアリュールはあのあと統一G1東京大賞典を制し、またアドマイヤドンはドバイを目標に再鍛練の期間をおき、確実にパワーアップしていると考えていい。ジャパンCダートで不足だった部分は、もう成長力によって埋め合わされたと考えたい。

 中心になるのは16番アドマイヤドン。ジャパンCダートは菊花賞を激走し、2分5秒6もかかる盛岡のG1・JBCクラシックを圧勝したあと、疲れこそなかったが、秋シーズンのピークは過ぎかけていた公算が高い。

 この馬、先週の調教で道中カッとなったため、最後46.3−15.9秒もかかったが、そういう気性だけに調教だけでピタリ仕上がる。強く追ったり、使い出すと450キロ前後になって細くみえてしまうが、4歳の今年は470キロぐらいは欲しい。馬体重が増えてくるようなら、それは太め残りではなく、成長しつつある証拠だ。ドバイに向けての好発進に大きく期待したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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