ダート戦は、高速のスピードと切れが求められる芝と違って、厳しい競馬を経験してきたベテランの古馬有利。短距離はともかく、1800m以上で、とくに時計のかかるタフなコンディションになると、歴戦のベテラン組が台頭するケースが多い。
それを改めて感じさせたのが、昨年11月のG1、ジャパンCダートだった。デットーリの乗った5歳イーグルカフェが苦しいインをこじあけ、6歳のリージェントブラフがゴール寸前届いている。
人気のアドマイヤドンとゴールドアリュールは善戦しながらも、あと一歩が足りない3着と、5着に終わった。ただし、あのメンバーは、もう少し経験を積み、当時の3歳馬がパワーアップするなら、ベテラン組より3歳アドマイヤドン、ゴールドアリュールの方が秘める能力や可能性は一枚上、とも感じさせる力関係だった。
あれからまだ3ヶ月が経過しただけだが、ゴールドアリュールはあのあと統一G1東京大賞典を制し、またアドマイヤドンはドバイを目標に再鍛練の期間をおき、確実にパワーアップしていると考えていい。ジャパンCダートで不足だった部分は、もう成長力によって埋め合わされたと考えたい。
中心になるのは16番アドマイヤドン。ジャパンCダートは菊花賞を激走し、2分5秒6もかかる盛岡のG1・JBCクラシックを圧勝したあと、疲れこそなかったが、秋シーズンのピークは過ぎかけていた公算が高い。
この馬、先週の調教で道中カッとなったため、最後46.3−15.9秒もかかったが、そういう気性だけに調教だけでピタリ仕上がる。強く追ったり、使い出すと450キロ前後になって細くみえてしまうが、4歳の今年は470キロぐらいは欲しい。馬体重が増えてくるようなら、それは太め残りではなく、成長しつつある証拠だ。ドバイに向けての好発進に大きく期待したい。