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新人騎手の活躍

  • 2012年05月04日(金) 18時00分
 NAR公式サイトのトップページに、“「クリック!地方ケイバ」をYouTubeで試験配信中”というトピックスが掲載された。やればできるじゃん!と思った。

 4月13日公開の本コラム「レース動画のスマホ対応」で、これからはスマホやタブレット端末のシェアが増えるのだから、競馬の動画もそれらへの対応を進める必要があるのではないか、と書いた。

 まさかそのコラムを読んで、ということではないのだろうが、レースそのものではないにしても、競馬の動画がこうした対応をしてくれたことをうれしく思う。さすがにこれまで蓄積してきたレース映像すべてでこうした対応をするのは難しいだろうが、こらから公開するものだけでも、順次スマホなどでも見られるように対応を進めていくべきだろう。

 さて、地方競馬ではこの4月から新たに7名の新人騎手が各地で順次デビューしているが、その初勝利のニュースが続いている。

 第1号となったのは、4月8日にデビュー3戦目で初勝利となった、佐賀の小山紗知伽騎手。地方競馬の場合は開催日程の関係もあり、所属する競馬場によってはデビューが5月以降になってしまうこともあるが、小山騎手は7名の新人騎手の中でもっとも早いデビュー(4月7日)でもあった。

 次いで4月19日に兵庫の鴨宮祥行騎手が7戦目で、26日には北海道の阿部龍騎手が6戦目で、さらに30日には船橋の山本聡紀騎手が初騎乗初勝利を達成した。わずか1か月で7名のうち4名が初勝利。

 ちゃんと調べたわけではないのだが、これほど早い時期に何人もが初勝利を挙げるというのは、近年ではなかったのではないだろうか。地方競馬に限らず、さまざまな要因で新人騎手が勝利を挙げることが難しくなっているだけに、こうした活躍は競馬の未来に向けて明るい話題だ。

 中でも特筆すべきは北海道の阿部龍騎手。ホッカイドウ競馬開幕の4月25日にデビューし、その日は勝利に届かなかったものの、翌26日に初勝利を挙げると、いきなり3勝(!)の固め打ち。

 教養センター時代の評価も高く、所属したのが毎年調教師リーディングを争っている角川秀樹厩舎だけに、有力馬の騎乗機会が巡ってくる可能性も高く、したがってある程度の活躍は予想されていた。

 ところがこの3勝の固め打ちは、いずれも所属厩舎以外の馬だったことを見て、さらに驚かされた。

 自厩舎の馬で勝ち星が挙げられていないとはいえ、開幕初日に行われた日本で一番最初に行われる2歳新馬戦、スーパーフレッシュチャレンジでは、自厩舎のラブミーヘイローの鞍上を任され単勝6番人気で3着。そして他厩舎の馬ではあるのだが、5月3日のフレッシュチャレンジでも単勝8番人気のタカラリードに騎乗して2着と好走している。

 ホッカイドウ競馬のこの早い時期の新馬戦でデビューする馬の中には、例年かなりの素質馬が含まれているのは周知のとおり。新人騎手にもかかわらずそこで手綱を任されるということは、すでに相当な信頼を得ているということなのだろう。

 今後の活躍にも大いに注目したい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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