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主催者による有力馬情報

  • 2012年05月18日(金) 18時00分
 地方競馬各主催者の公式サイトでは、主催者ごとに公開されている内容はさまざまだが、もっともファンに求められているのは、やはり“馬”に関する情報ではないだろうか。

 枠順に関しては、確定すればかなり早い段階でNARの「本日のレース情報」で公開されるが、それ以前に登録の段階で知りたいと思う人も少なくないだろう。それはファンばかりでなく、馬主や厩舎関係者にとっても有益な情報であるはずだ。

 最近では開催ごとの登録馬を公式サイトで公開する主催者もかなり増えてきたが、発表していない主催者もある。

 そうした中で最近「おっ!」と思ったのが、そのだ・ひめじけいばのサイトで、おそらく今年になってからのことだと思うが、「有力馬情報」として重賞などで活躍している馬の近況を伝えてくれていることだ。

 地方競馬で電話・ネット投票が普及し始めたころから指摘されてきたのが、情報の少なさだ。今の日本の競馬は、良くも悪くも中央競馬が中心になっていることは事実。スポーツ新聞、雑誌、ネットなど、あらゆる媒体で日々さまざまな情報が流れている。それが普通だと思ってしまうと、たしかに地方競馬の情報は少ないと言われてもしかたない。それゆえ、主催者が出してくれる「有力馬情報」は貴重だし、ありがたい。

 ただ、こうしたことを主催者が積極的にはやりたがらない面があることも理解できる。ある程度競馬を知るようになれば当たり前のことだが、馬は生き物であり、そのときどきの状態で、出馬登録や枠順抽選直前での回避ということもめずらしくない。

 主催者が出している情報はいわば公式な情報だ。それゆえ、たとえば有力馬の次走出走予定レースなどを伝えたものの、実際にはそのレースに出てこなかったときなどは、ファンからクレームが来るようなこともあるだろう。

 そうしたリスクが考えられる中で、主催者の公式サイトで「有力馬情報」を出すようになった、そのだ・ひめじけいばの姿勢は評価できる。ほかには笠松けいばでも、以前から「最新情報」として、有力馬に関する情報が伝えられているのは好感が持てる。

 主催者の公式サイトでは、開催日のイベント情報などももちろん重要だが、主役となる“馬”に関する情報も積極的に出してほしい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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