ディープインパクトのスタミナと成長力を引き出すには
ダービーの枠順が確定した。出走馬18頭のなかでディープインパクト産駒は7頭。その生産牧場の内訳は、ノーザンファーム3頭、社台ファーム2頭、大樹ファーム1頭、パカパカファーム1頭。7頭のうち5頭までが、社台グループの生産馬である。
ディープインパクトの2年目の種付頭数は232頭。翌年、161頭が生まれ、159頭が血統登録された。これらが現3歳世代を形成し、旋風を巻き起こしている。ただし、その主役たちは、ダービー出走馬を見てもわかるとおり、多くが社台グループの生産馬だ。
今日、社台グループと日高の牧場では、繁殖牝馬の血統レベルに著しい格差が生じている。それが、そのままディープインパクト産駒の質の差になっている気がする。
もう一つ深刻なのは、日高の有力牧場が所有する配合牝馬の主流が、「仕上がりの良さとスピードを意識したライトな血統」に偏っている点だ。
サンデーは欧州のステイヤー牝系や、ニジンスキー系のようなステイヤー種牡馬を父に持つ牝馬と、抜群の相性を見せた。本質的に早熟の短中距離血統だったサンデーが、この配合で成長力とスタミナに富む大物を送り出した。
その最高傑作がディープインパクトである。だから本来は、スタミナも成長力も秘めた種牡馬であり、決して早熟のマイラー種牡馬ではない。だが、配合牝馬がライトなアメリカ血統だと、この部分のみが強調されて生まれてくる。ディープインパクトのスタミナと成長力を引き出すには、やはりステイヤー配合が合っている。
そこに重きを置いて、ダービーに出走するディープインパクト産駒に印を打つと、◎ワールドエース、○スピルバーグ、▲エタンダール、△ベールドインパクトになる。
幸いにも(結果的には不幸の始まりになるかもしれないが)、ワールドエース以外の3頭はそれほど人気がない。ダービーはこの3頭を穴に買ってみようと思う。むろんステイゴールド産駒2頭も買う。